keiko's paris journal <パリ通信 - KSL> keikoparis.exblog.jp

パリ在住21年ライター&コーディネーター角野恵子目線のパリ情報です。Keiko SUMINO-LEBLANC, journaliste japonaise, FOOD et Life Style.


by KSL
プロフィールを見る
更新通知を受け取る

<   2019年 02月 ( 6 )   > この月の画像一覧

a0231632_22251762.jpg


2019年2月23日

パリ日本文化会館にて、

濱口竜介監督映画『親密さ』が上映されました。









ジャポニスム2018のプログラムの一つ、
『日本映画の100年』があったからこそ実現された、
貴重な上映会です。






なぜ貴重かというと・・・

『親密さ』はそもそも商業映画ではなく

品川にある映画専門学校 ENBUゼミナールの

映像俳優コース卒業制作としてつくられた作品。


一般上映を前提としていない映画だから。





ここ、フランスには
濱口竜介監督作品ファンが多く存在するからこそ
実現した上映会と言えるかもしれません。

ちょうど、新作『寝ても覚めても』は
昨年末からフランス全土で上映されており、
現在もパリの映画館で鑑賞できます。

去年のカンヌ映画祭コンペ作品、

ル・モンド紙他が、「傑作」と絶賛。




また、
去年のカンヌ映画祭と重なるタイミングで
フランス初公開された
2015年の作品『ハッピーアワー』は、
予期せぬロングランになった
というエピソードも・・・

無名の素人たちが演じた
インディーズ映画なのに!



この『ハッピーアワー』で
フランス人の心をつかんだ濱口竜介監督。


私も『ハッピーアワー』で心をつかまれた一人として、

この日、上映会に足を運んだのでした。




『ハッピーアワー』は
5時間を超える長い作品でしたが、

『親密さ』も255分、4時間越え。

前半・後半の
2部構成になっていて、

前半に「1ヶ月後に迫る舞台を準備する若者たち」
が描かれ、

後半に「その舞台そのもの」
がフィルムに収められています。




4時間、長い!

それを知らずに見に行き、
この日は天気のいい土曜日の午後だったのですが、
映画鑑賞後外に出たらもう、真夜中でしたよ。




それでも、もちろん、
見てよかった、見ごたえのある作品でした。




私にとっては『ハッピーアワー』に続く2作目の

濱口竜介監督作品だったわけですが、

2つの作品から一貫して

痛感させられたことがあります。


それは、


「特別な美貌の持ち主ではない(失礼)アマチュア俳優たちが

類い稀な説得力でフィルムの中に存在し、

最後にはすっかり彼らに魅了されている」


ということ。

生き生きした表情、

リアリティー、

繊細な心の動きが伝わる語り方 etc

役者一人一人が、たまらなく魅力的な存在になってしまう。





ところが、濱口竜介監督、

アフタートークではこんなお話を。


「映画監督だからと言って

演技のことがわかるわけではなく(笑)

いつも通り

シナリオを渡して、

あとは俳優たちに任せる、という方法をとりました」







a0231632_22255627.jpg


加えて、この『親密さ』作成までは、

つまり、
ENBUゼミナール講師として卒業制作に関わるまでは、


『俳優たちを軽蔑していました』


『どうして演じたいのか?

役者に対して常にこの疑問を抱いて、

彼らを大切に扱っていなかったと思います』




こんなことを包み隠さず話してくれたのも

アフタートークの場所がアウエイの

フランスだったからかもしれませんが、

ずいぶん思い切った発言です。



a0231632_22380353.jpg




そこで、『親密さ』制作期間3ヶ月間の最初の2週間で

後半・舞台の脚本を書き上げ
(やっぱり天才ですね)

役者たちにはそれを練習してもらいながら、

同時に、俳優たち一人一人インタビューを行ったと。

彼らのことがわかった時点で

前半の脚本を完成させたのだそうです。








『親密さ』は、2010年12月から
2011年2月にかけて作成。

a0231632_22381811.jpg





この、俳優一人一人に行ったインタビューの中で、

彼ら一人一人に「演じざるをえない理由」が存在するのだと、

「目立ちたいわけでも、注目してもらいたいわけでもなく、

そうせざるをえない切実さがあるのだと

理解しました」






a0231632_22261711.jpg

*アフタートーク後、濱口竜介監督にサインを求めるファンたち





アフタートークでは、観客からの質問にも答えました。

『親密さ』作中に、登場人物が

「世界中の人に1つだけ質問できるとしたら、
何を聞きたい?」

と、恋人に問いかけるシーンがあります。


「監督はどんな質問をしたいですか?」




a0231632_22263512.jpg






「実はこの質問は、『親密さ』作成中に

実際に学生たちにした質問で、

それは、みんなにもっと聞き上手になってもらいたいという

意図があってのことだったのですが、

何人もが

『私のことをどう思っていますか? と聞きたい』

と答えていました。

ぼく自身も、確かにそれは知りたいことだなと思いました」





私だったら、何を聞きたいだろう?

世界中の人に、みんなに、
1つだけ聞けること。

(瞬時に、はっきりと、それは見つかりましたが)




皆さんは、何を聞きたいですか?




こういう綿密な、人間同士のやりとりがあるからこそ、

濱口竜介作品には

独特のリアリティーがあるのかもしれません。




a0231632_22264986.jpg

『ハッピーアワー』DVDを持参し
サインしてもらうファン。




アフタートークの後にも

監督を捕まえてサインを求めるファン、

質問をするファンが後を絶ちませんでした。




a0231632_22272068.jpg



私ももちろん、質問をさせていただきました!


私 

「監督の作品は、特に『ハッピーアワー』が

たくさんの国で上映されたと思いますが、

フランスのファンの反応はどうでしょう?」





濱口竜介監督 

『フランスでは、日本以上に話題になっているので、

自分でもなんでだろうと思うところはあるのですが、

やはり嬉しいです。


フランス映画を見て育っているので、とても嬉しいです』





そうそう、そうです、そうなんです!

こういう親密さのある作品に、
ウッディ・アレンや、ソフィア・コッポラの作品に
共感する国民なんです、フランス人は!

と、心の中で、まるで自分の遠い親戚を
自慢する思いでした。



大林宣彦監督もおっしゃっていましたが、

やはりフランスの人々は、映画を愛し、

映画に誇りを持つ国民。






もし世の中が、マクドナルドだけになってしまったら

悲しすぎます。


映画も同じこと。





「みんなが待っていますから

どうぞたくさんの作品を撮ってください!」


と、身勝手なお願いをして、

短い質問を終えました。





濱口竜介監督の左手薬指には
キラリと結婚指輪が輝いていました。

奥さんいらっしゃるんですね、

いいな〜


























* * * * * * *

角野恵子、こんな仕事をしています。→こちら
取材、コーディネート、旅のお手伝い、ご質問etc コンタクトはこちらからどうぞ。→こちら


応援クリックお願いします → にほんブログ村 海外生活ブログ パリ情報へ




                                                what's new in paris ? → a0231632_18374182.jpg      
   

                                                    my daily life → a0231632_1838120.png

by keikosuminoleb | 2019-02-26 03:25 | イベント & お披露目 | Comments(0)
a0231632_19190406.jpg



パリ13区、

ビュット・オ・カイユ界隈は、
パリジャン、パリジェンヌにとって
「古き良きパリの面影が残るエリア」。




このエリアに、とても感じのいいブロカント(中古雑貨)の店があり、
先日ようやく店内に入ることができました。


営業時間がやや短く、
夏休みは長々と閉店するため、
今までずっと機会を逃していたのです。




で、入ってみて大正解!


どの品物もコンディションが良く、
それに値段が良心的!!

セレクションも、
「ここは代官山?!」(笑)
と見紛うセンスの良さで・・・

日頃、いろんな店を発見しますが、
ここまで感動したのは久しぶりです!




いい店はだいたいとても高いものですが、
ここ、『ラ・クラリエール』はそうじゃないところが

貴重!!







リネンやコットンのナイトウエアや

a0231632_19192041.jpg

アンティークのガラス瓶。





焼き物のジャーも充実しています。



a0231632_19193922.jpg




ディスプレイがまた、感じよく


a0231632_19195514.jpg





鏡とフォトフレームのコーナー。


a0231632_19202102.jpg



ひとつひとつ、どれもコンディションがいい!


a0231632_19203945.jpg







布巾掛けを探していたのですよ〜

30ユーロだったかな。


a0231632_19205449.jpg



店主のシャローンさん!
カナダ人です。


a0231632_19212826.jpg


建築を学び、
なんと30年前に1年間、日本の
磯崎新の事務所で働いたそう。

「練馬区のアパートに住んでいました。

部屋にはお湯もシャワーもなくて
毎日銭湯に通っていたんですよ


昭和な東京ですね・・・

にしても、磯崎新事務所とは驚きました。

一味違うセンスのよさには
こんなバックグラウンドがあったわけです。






a0231632_19211355.jpg

La Clarière
8 rue de l'espérance
75013 Paris

営業時間:14時〜19時
定休日:日・月・火曜





日本からメールオーダーもできます。

La Clarière / etsy
a0231632_19280989.png





instagrame はこちら ↓








こんなに素敵な店を、
自分が住むパリ13区に見つけられて
幸せ!
これからちょくちょく、遊びに行くとおもいます。

ビュットーカイユ界隈が
ますます好きになりました。



以下、私の戦利品です❤️



a0231632_05340400.jpg



20年代のスタイルマガジンと・・・







手鏡! 19ユーロ


a0231632_05342831.jpg


こういうタイプの手鏡は
これまでいくつも素敵なものに出会っていましたが、
購入するには至りませんでした。




が、こちらは見た瞬間に
(この節約家の私が)購入を決意。


こんな風に、壁に掛けられるよう
シャローンさんの一工夫があったのですよ〜

a0231632_05344644.jpg






20年代のマガジン・・・3ユーロ。


a0231632_05350568.jpg

「ビーチのスキンケアと水着特集」


いつの時代も、
人の関心事は変わらないのですね。













2011年の出版ですが、
リアルなパリの住人たちの住まいを取材した
ハンディータイプのインテリア本
↓ ↓ ↓
大人かわいい!!パリの暮らし 個性的な部屋こだわりのあるインテリア


自由なアイデアの参考に、是非!





*****


角野恵子の共著書、翻訳本、よろしければ手にとってご覧くださいませ。


【アマゾンからお取り寄せ】
心地よく暮らす TOC TOC TOCの心地よい部屋づくりのアイデア


【楽天からお取り寄せ】







角野恵子、こんな仕事もしています。→こちら
取材、コーディネート、旅のお手伝い、ご質問etc コンタクトはこちらからどうぞ。→こちら



by keikosuminoleb | 2019-02-23 17:12 | デザイン/ DECO/ DIY | Comments(4)
a0231632_05231826.png


2019日1月末〜開催された
いけばな5流派による展覧会の様子、
ジャポニスム2018オフィシャルサイトでレポートしています。


こちら、ぜひご覧くださいませ。
⇩ ⇩ ⇩









2018年夏にスタートした
ジャポニスム2018も、
いよいよクライマックス。

ふりかえれば・・・


エッフェル塔が日本カラーにライトアップされたり、

パリ市庁舎前広場に巨大風呂敷包み(を模した、
風呂敷アート展)が登場したり、

初音ミクがコンサートをしたり。


驚きの催しが、たくさん、それも次々と
繰り広げられました。


このブログでもいくつかレポートしています。


林真理子さん他、人気作家を招いての日仏文学シンポジウム
⇩ ⇩ ⇩





映画『花筐』上映と、大林宣彦監督のアフタートーク
⇩ ⇩ ⇩







映画『FOUJITA』上映と、
小栗康平監督のアフタートーク。
⇩ ⇩ ⇩



『FOUJITA展』 @パリ日本文化会館
3月16日まで!
⇩ ⇩ ⇩










この他、イベントのレポートは
オフィシャルサイトをご覧くださいませ。
⇩ ⇩ ⇩








このゴージャスなジャポニスム2018が終わる、と思うと
寂しいですが・・・


今週土曜日、2月23日14時〜は

映画『親密さ』上映と、

濱口竜介監督のアフタートークが

パリ日本文化会館で開始されるので、行きます!!




ジャポニスム2018の一環で開催されている
第回顧上映会『日本映画の100年』のプログラムは
こちらをどうぞ
⇩ ⇩ ⇩





最後まで存分に堪能しますよ!


パリにいらっしゃる方、この滅多にない機会を
どうぞ活用されますよう!!!









*****


角野恵子の共著書、翻訳本、よろしければ手にとってご覧くださいませ。


【アマゾンからお取り寄せ】
心地よく暮らす TOC TOC TOCの心地よい部屋づくりのアイデア


【楽天からお取り寄せ】







角野恵子、こんな仕事もしています。→こちら
取材、コーディネート、旅のお手伝い、ご質問etc コンタクトはこちらからどうぞ。→こちら



by keikosuminoleb | 2019-02-22 05:55 | お仕事のお知らせ | Comments(0)
a0231632_22060783.jpg


セーヌ川停泊船レストラン
『ル・クラブ』が、新しいシェフを迎えました。
(『ル・クラブ』はこんなお店 → こちら! 


新シェフは、なんと、ラ・カンティーヌ・ド・トロケの
クリスチャン・エチェベストさん!

パリジャン、パリジェンヌを魅了する
ビストロノミーメニューが、
セーヌ川の上で展開されるというわけです。



シャンゼリゼ大通りからすぐの
絶好のロケーション、
しかも船上レストラン、
人気シェフの料理・・・ となると
お値段が気になりますが、

火〜金曜のランチセット
(日替わりプレート+グラスワイン+コーヒー) 24ユーロ

アラカルトセット
(前菜+メイン+デザート)42ユーロ


という手頃さ。
パリジャン、パリジェンヌを
本気で手招きしています!笑



2019年2月1日のランチの様子、
以下の写真でご覧くださいませ。


a0231632_22052381.jpg

アペリチフに、
自家製ローズマリーのマドレーヌ。


信じられませんが、
ル・クラブのグラスシャンパンは
たったの12ユーロ、ドゥーツが、ですよ!
セーヌ川の上で、ドゥーツで乾杯、
12ユーロで叶う夢!!





前菜に、私はホタテの1品(写真1枚目)を
選びました。
生のホタテ貝柱と、
ビーツと低温調理で仕上げたパープル色のホタテ、
2つのてテクスチャーを味わう前菜。





こちらは、
栗のヴルーテ、フォアグラ添え。

a0231632_22053679.jpg

季節の一皿、ですね〜






プランチャで仕上げた
卵のパルフェ。

a0231632_22055072.jpg
半熟の黄身が、下のキノコに絡んで
実にうまそうでした。








メイン、

白身魚のブランダードを選択。


a0231632_22031991.jpg


ブランダードは、
たらの身をほぐしてグラタンにした料理ですが、
シェフのブランダードは魚の身がぶつ切りで
食感が心地よかったです。
フレッシュケッパーと
茹でたジャガイモも、ゴロゴロといい感じの存在感。





こちらは白豆とキノコの一皿。
ベジタリアンも嬉しくなる!!

a0231632_22063065.jpg








デザート、

パンペルデュ(フレンチトースト)風の一皿。
フレンチラム酒が隠し味。
a0231632_22103872.jpg





りんごをいろいろな食感で楽しむ
フレッシュなデザート。


a0231632_22105773.jpg






私はこちら、
パイナップルのキャラメル仕立てを。


a0231632_22111445.jpg


生姜の風味と
ヘーゼルナッツの香ばしさ!






シェフの
クリスチャン・エチェベストさん。

a0231632_22113281.jpg

スタッフから
ハート型のクッキーをプレゼントされ、ご機嫌でした・笑






そして厨房を預かるエグゼクティブシェフは、
26歳のロマン・カザスさん。
食感とハーブ・スパイスづかいに
キラリと個性が光るシェフです。

a0231632_22050581.png



「若いシェフはどうしても自分がたってしまって
他人の意見を聞かないことが多いけど、
ロマンはちゃんと聞く。
なかなかできることじゃないよ」

と、クリスチャン・エチェベストさん。
理想的なチームワークで
ル・クラブのメニューを作り上げています。



「価格を抑えるために、
手頃な値段で仕入れられる旬の食材だけを使っています。
ですので、食材に合わせて
頻繁にメニューが変わります」


と、ロマン・カザスさん。

いつ行っても、新しい料理が食べられるということ。
あきません!
魚料理が充実していることも
私にとっては嬉しいポイントでした。






さて、

ル・クラブはこの日も
サンルーム並みの明るさ!

a0231632_22070115.jpg





セーヌ川左岸を一望!


a0231632_22072671.jpg





そしてエッフェル塔。


a0231632_22074191.jpg




店内の奥のテーブルからも
エッフェル塔は見えます。
全席エッフェル塔ヴュー!

a0231632_22080678.jpg


当然、バレンタインデーや
7月14日の革命記念日など、
お祝いのタイミングはあっという間に予約でいっぱいになります。

この値段でこのクオリティーですから当然か・・


RESTAURANT LE CLUB

Port de la Conférence (75008)Métro : Pont de l'Alma営業時間: 11h - 23hRéservation: 01 42 25 82 51*駐車場無料Parking gratuitご予約の際、窓際を希望の場合は
ひとこと伝えることをおすすめします!






おまけ、として、
ル・クラブの冬のテラスをお見せしますね。



a0231632_22082648.jpg


セーヌ川の上で、スキー場気分!



冬のルーフトップも
一味違って贅沢。
a0231632_22100516.jpg




スケートリンクもあります。


a0231632_22084813.jpg





予約制のドームテーブルでは
ラクレットをサーヴ。

a0231632_22090727.jpg

確か、すでに今シーズンいっぱい
予約で埋まっているそうですが・・・



来年の冬を狙う!?


a0231632_22094650.jpg



この船上テラスは、夏になると
ルーフトップバー
『ムッシュー・ムーシュ』に変身します!
こちらもおすすめ!!








a0231632_23141522.jpg


PS
この1週間後にインフルエンザで寝込むことになるとは
この時はつゆ知らず・・・
体あっての物種。大切な時間を棒に降らないためにも、
健康管理あるのみですね。心身の健康は食から!





自由なパリ旅行を
食べ物メインで計画中の、あなた様のバイブル?!

人気料理研究家・重信初江先生がおすすめる
簡単おいしいパリレシピ、
厳選パリ土産、
などなど、情報が満載の一冊です! 
⇩ ⇩ ⇩ ⇩ ⇩



* * * * * * *

角野恵子、こんな仕事をしています。→こちら
取材、コーディネート、旅のお手伝い、ご質問etc コンタクトはこちらからどうぞ。→こちら


応援クリックお願いします → にほんブログ村 海外生活ブログ パリ情報へ




                                                what's new in paris ? → a0231632_18374182.jpg      
   

                                                    my daily life → a0231632_1838120.png

by keikosuminoleb | 2019-02-20 23:08 | FOOD | Comments(0)
a0231632_00502890.jpg

*写真中央・大林信彦監督、その右・常盤貴子さん。
インタビューを記録する意味で、このブログにアップします。




2019年2月17日
シネマテーク・フランンセーズにて
大林信彦監督作品『花筐』が上映されました。

昨年夏に始まった
『ジャポニスム2018』の一環で、
シネマテーク・フランセーズとパリ日本文化会館を会場に
『100 ans de cinéma japonais 〜日本映画の100年』と題された
日本映画の大回顧上映会が開催されています。







この機会に、
日仏の専門家が厳選した119の日本映画が
パリで公開されている、というわけです。

選考基準は、ズバリ

「フランス人がこれまで見たことのない日本映画を紹介する」!!




なんと、記念すべき初回上映は
無声映画『雄呂血』(おろち)でした。







無声映画なんて、生まれて初めて見ました。
モノクロで、音がない、サイレントムービー、= おとなしい・・・
と思ったら大間違い!
阪東妻三郎の圧倒的なアクションを
弁士・坂本頼光さんの小気味いい語りと
楽団ラガード・モノトーン・トリオの生演奏が
生き生きと盛り上げ、
オペラや演劇に親しんだ目の肥えたパリの観客を
完全に魅了していました。

仏人選考委員の言葉が
心に残っています。

「この時代以前にあった
日本映画のひっちゃかめっちゃかさが、
その後、日本映画から消えてしまった。
この映画は、ひっちゃかめっちゃかなエナジーに満ちた日本映画を
現代に伝える、現存する唯一のフィルムです」




フランス人は
回顧上映会などを企画する際に、
一人の作家(映画監督)に絞って掘り下げる見方を好むそう。

そこをあえて、
一人の作家(例えば、溝口、小津、黒澤・・・)に絞らず、
「まだフランス人が知らない監督の作品」、
または、
「フランス人によく知られた監督の、知られざる作品」
を広く選んだからこそ、
こんな思いがけない発見もあったわけです。

『日本映画の100年』
大きな意義のあるイベントだと思います。





そんな『日本映画の100年』
も、いよいよ来月で終わるわけですが、
華々しく最後を飾る作品上映の一つが
この『花筐』でした。


a0231632_00495898.png
なんと、上映後には
大林信彦監督と主演女優の常盤貴子さんを招いての
アフタートークが!
(写真1枚目)



大林信彦監督といえば、
私にとっては
『転校生』であり、『時をかける少女』です。

私たちの時代に、リアルタイムで、
話題作を撮り続ける監督、という印象。
その大林信彦監督が現在81歳になられ、
しかも長い闘病生活にあったなどとは、全く存じ上げませんでした。
大林信彦監督が81歳?!
信じられませんでした。



杖をついて、ステージに登る大林信彦監督。
つい手を伸ばし、助けたくなる、
そんな衝動にかられましたが、
ひとたび話を始めれば
聞く人をたじろがせる迫力、気迫。
頭脳明晰で、伝えたいことがはっきりしているんだ、と
誰もがわかる声であり、語調でした。



戦争を体験した
戦後の映画監督として、
60年間の映画人生の中で大林信彦監督が一貫して伝えてきたこと、
それは


「戦争は嫌だ! 戦争は嫌だ! 戦争は嫌だ!」


という、たった一つのメッセージなのだそうです。



『映画とは、平和を求める庶民の力。

映画に歴史を変えることはできないが、
歴史の未来を変えることはできるはず』



そんな、大林信彦監督の言葉を胸に、
懐かしの『転校生』をもう一度、
そして、まだ見ていない大林信彦作品を是非
見たいと思います。








戦争を体験した
戦後の映画監督としての自分を語るとき、
黒澤明監督、そして小津安二郎監督について
説明しないわけにはいかない、とも
大林信彦監督は明言していました。

その小津安二郎監督の言葉:

『どうでもいいことは流行に任せろ、

道徳は国家権力に任せろ(さもなきゃ犯罪者になってしまう)、

ただし芸術だけは自分に従う(芸術活動だけは、自分の価値を全うする)


そして、

『ならば、映画を作らない』


と、結論付けたのが小津安二郎だった、と。


自分の誠に従い、芸術を全うした時、
それは国家権力に背くものになる。
であれば、映画を作らない。


とはいえ、日本の「とうふ」だけは、なかなか世界に誇れるいいものだ。

じゃあ「とうふ」の映画を作ろう。

そうやって生まれた作品たちが
あまたの名作、小津安二郎映画だと・・・




そして大林信彦監督は付け加えました、

『そして、そのとうふの良さをわかってくれたのは、
日本人ではなく、
フランスの皆さんだったというわけですね』




小津安二郎監督は、
自身の人生で一番活躍できる時期に戦争時代を送ることになった
不運の人だったそうです。
これまで、そういう見方を
小津安二郎作品に対してしたことがありませんでした。

そして、とうふ・・・





戦争に翻弄された、小津安二郎監督、
黒澤明監督、
大林信彦監督。
表現の自由・・・
特定秘密保護法成立以降、私たちは
こんなに悠長に構えていて大丈夫なのか?



『私たちが先輩から受け継いだものを、
今の若い日本の監督がしっかり
繋いでくれていると感じます。

だから、安心して見守っています』


と、大林信彦監督は締めくくられました。


奇しくも、『花筐』に続く上映は
村上春樹原作『ハナレイ・ベイ』。
アメリカ人水兵、イラク戦争・・・などがディテールに差し込まれ、
『日本の若い世代は全く政治に関心がない。
この映画をきっかけに興味を持ってくれたら』
と、松永大司監督。




やっぱり・・・
表現者にとって、一番重要なことは
ただ一つ、なのかもしれません。
ジョン・レノンとオノ・ヨーコも
言っていましたよね。







それにしても、
製作費用という大問題が付いて回る
映画製作を、
60年間一貫してインディペンデントに、
『家族経営で』行ってきた大林信彦監督。
神業に思えます。


大林信彦作品の1つ1つが、紛れもない
『自分の誠』の証だということです。


『映画を愛し、映画に誇りを持つ国民の皆さんに
こうしてお会いすることができ嬉しいです』


と、開口一番に仰っていた言葉は、
本当に飾らぬ
監督の本心だったと思います。
11時間の空の旅は、危険を覚悟しての決意だったと想像しますが、
そうしてでも、フランスのファンに会いたかったんだと。


自分の誠を貫いた大林信彦監督と、
インディペンデントな映画作品の価値を
正当に評価するフランスのファンたちが
(かのウッディ・アレン監督も
「フランスがあってよかった」と名言を残しているように)、

2月17日、シネマテーク・フランセーズの会場に同席した、
その場に居合すことができ、幸せでした。
映画を愛する監督とファンの
相思相愛の特別な空気感が、会場を満たしていました。





『映画とは、平和を求める庶民の力。

映画に歴史を変えることはできないが、
歴史の未来を変えることはできるはず』


大林信彦監督






















*****

角野恵子の共著書、翻訳本、よろしければ手にとってご覧くださいませ。


【アマゾンからお取り寄せ】
心地よく暮らす TOC TOC TOCの心地よい部屋づくりのアイデア


【楽天からお取り寄せ】







角野恵子、こんな仕事もしています。→こちら
取材、コーディネート、旅のお手伝い、ご質問etc コンタクトはこちらからどうぞ。→こちら



by keikosuminoleb | 2019-02-19 03:30 | イベント & お披露目 | Comments(0)
a0231632_03545031.jpg

世界で最も多くミシュランの星を獲得するシェフ
アラン・デュカスさん。

世界各国に、約30の店舗を構えています。


そんな彼が、初めて手がける"カジュアル" イタリアンレストラン
『クチーナ・ミュチュアリテ』が、
昨年2018年10月にオープンしました。



デュカスさん、
本当にイタリアンがお好きなのです。



わざわざカジュアルイタリアンを
新規オープンするだけあって、
お値段も本当にカジュアル。

単品6ユーロ〜
ランチセット24ユーロ(日替わり前菜+日替わりメイン+コーヒー&お菓子)




昨年10月に招待してもらったディナーの写真を、
以下に共有したいと思います。


a0231632_03551050.jpg


真っ黒!

そうです、イカスミのリゾット。

クチーナ・ミュチュアリテの料理は
すべて自家製。
グリッシーニのような小さなものも!




黒々ツヤツヤのこのイカスミリゾット、
スミをとるところから仕事だそうです。
だから当然、風味たっぷり。


a0231632_03511619.jpg







あっさり、ごく少量のチーズを散らした
ブカティーニもたまらん。



a0231632_03515093.jpg




テーブルで取り分けて・・・

a0231632_03521136.jpg

余談ですが ☝️ 写真右に、
赤い筒のようなものが写っています。
これはコショウのムーラン。

食器選びから内装、店内の演出までを
Frédérick Grasser Hermé さん手がけています。
(ピエール・エルメ前夫人で、それ以前は
デュカスさんの
プライベートシェフだった、という
強烈な女性)



a0231632_03523110.jpg

実にシンプル。
だからパスタの食感が生きる。

粗挽きの黒胡椒の香りが
フレッシュでした!





こちらも 👇 手打ちパスタで、
牛肉の煮込み。


a0231632_03524921.jpg


肉じゃが的味わい・・・
おくふかいどこかで共通点を感じるから
日本人はイタリアンが好きなのかな。


a0231632_03531388.jpg





本場の
エスカロップミラネーゼ!

a0231632_03535409.jpg




写真で伝わりませんが、実際は圧倒的な面積!!


ぺらっと薄いのですが、とても幅広く、大きい
仔牛のカツレツ。


a0231632_03541114.jpg
ひらひらっと散らした
ベルガモットのゼストが
デュカスクオリティーです。



付け合わせのジャガイモがまた、最高!
ねっとりと甘みが濃く、
ニンニクが香り高く。

a0231632_03542570.jpg



これらのボリューミーな料理の前に、
スズキのカルパッチョや
ミニピザなど、
アンティパスティを散々つまんでいたのですが

もちろんデザートも食べます!


この日は大人数だったので
デザートもテーブルで取り分けたのですが・・

a0231632_04582681.jpg

ズッパ・イングレーゼ。


メレンゲをバーナーで焼く!


a0231632_04584319.jpg


洋酒たっぷり!!
アルケルメス、というイタリアのリキュール
初めて知りました。




こんな感じで、豪快に。


a0231632_04101976.jpg




↓ つる下がっているソーセージ類は
すべて、布製のオブジェなんです。
(フレデリックさんが見つけてきたとのこと)



a0231632_04104099.jpg



ズッパ・イングレーゼ

a0231632_04100338.jpg




ホールマネージャーの
アントニオさんが、
盛り上げる盛り上げる ♬


a0231632_04565250.jpg




アントニオさん自ら
テーブルでバーナーを使っています・笑 ↓



a0231632_04571071.jpg



ティラミス ↓


a0231632_04561243.jpg





↓ 写真左の若い男性がシェフ、
その前に座っている白を着た男性が
グループのゴッドファーザー、アラン・デュカスさん。



a0231632_04585912.jpg



クチーナ・ミュチュアリテのシェフ
マテオ・ロレンズィーニさん(左)と、
マネージャーのアントニオさん(右)。

a0231632_04592209.jpg

マテオ・ロレンズィーニさんは、
美食家なら誰でも憧れる『ルイ・キャーンズ』
(アラン・デュカスさんのモナコのレストラン)で
3年間働いた後、
故郷トスカーナにもどり
かの地でミシュランの星を獲得。

それでも今回
縁あって、デュカスさんに呼んでもらい、
喜んでクチーナ・ミュチュアリテの
シェフを引き受けたそう。




「これまでにグループ・アラン・デュカスの店の
厨房を、数々経験しました。

クチーナ・ミュチュアリテのソースは
『ルイ・キャーンズ』と同じですよ」




と、マテオ・ロレンズィーニさん。

『ルイ・キャーンズ』が、20ユーロ程度?!
すごいー!


a0231632_04593985.jpg


アラン・デュカスさん(中央)と、
マネージャーのアントニオさん(左)。

アントニオさんは
私たちが想像するイタリア人、そのまま。
つまり、
いつでもごきげんさん・笑


例えば、
店にアラン・デュカスさんが到着すると、
必ず「ゴッドファーザーのテーマ」を流して
歓迎するのだそう。

急にBGMが変わってびっくりしましたよ。




店の食材はすべてイタリア直送。
水もそうです。


a0231632_03513400.jpg


パリでイタリアの水というと
サンペリグリノが一般的なのですが、
ソレ、というスパークリングウオーター。
初めて見ました。



自家製フォカッチャ。
カトラリーも、ごくシンプルなのに
いい感じです。



a0231632_03533536.jpg






店内は基本、
前身の『テロワール・パリジャン』の内装建築のままですが、
デコレーションがマルチカラーになって
元気な印象に変わりました。

(つまり、もうなくなってしまいましたが
テロワール・パリジャンについては→ こちらを!



a0231632_04072609.jpg



店内に入ると、中央がカウンター。

奥にオープンキチンが見えます。




a0231632_04074921.jpg



イタリアのメルカルトの雰囲気!
を、パリ流に!!

a0231632_04081857.jpg


パリに暮らす私たちにとっては

ちょっとした旅気分に浸れる内装です ♬


a0231632_04083533.jpg







a0231632_04091811.jpg



パリは今、空前絶後のイタリアん流行りなのですが、

ここのおしゃれさは別格。

デュカスクオリティーです!



a0231632_04090012.jpg



👆

上も下も、すべて自家製

👇


a0231632_04105810.jpg








a0231632_04555425.jpg





a0231632_04563623.jpg




厨房はオープンキッチン。





a0231632_04553566.jpg


個人的に
レストランがオープンキッチンだと
信用度が増します。

厨房が丸見えなので、
嘘がつけないですからね。




マテオさん!
こちらは、オープニングパーティの写真。


a0231632_04552045.png



そろいのTシャツで
お客様を歓迎!



a0231632_04545580.png





樽で寝かしたオリジナルカクテル 👇

a0231632_04543482.png





年中無休で、
予約なしでも入れる
手頃な値段のレストラン。

一人なら、カウンターもいいですね。

なかなか使い勝手がいいです。

それに、
お隣の国なのにあまりイタリア料理のことを
知らなかったんだ、と気づかされる
本格的な品々に出会えるのも素敵。

ああ、
こうやって書いていたら、今日これからランチに行きたくなりました!!!





Maison de la Mutualité, 20 rue Saint Victor
75005 Paris
tel. +33144315454
営業時間:12時〜14時、19時〜22時
定休日:なし













* * * * * * *

角野恵子、こんな仕事をしています。→こちら
取材、コーディネート、旅のお手伝い、ご質問etc コンタクトはこちらからどうぞ。→こちら


応援クリックお願いします → にほんブログ村 海外生活ブログ パリ情報へ




                                                what's new in paris ? → a0231632_18374182.jpg      
   

                                                    my daily life → a0231632_1838120.png

by keikosuminoleb | 2019-02-06 21:39 | FOOD | Comments(0)