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国際女性デーにシモーヌ・ド=ボーヴォワール著「離れがたき二人」関口涼子訳

2025年3月8日

国際女性デーおめでとうございます✨🌿

たまたま、昨日読み終わった本が、
女性の権利を考えるこの日にドンピシャな内容でした。

作者: シモーヌ・ド=ボーヴォワール。
タイトル: 離れがたき二人

フランスを代表する女性哲学者
シモーヌ・ド=ボーヴォワールが生まれたのは1908年。
彼女が9歳の時に、転校してきた女の子と大親友になって
先生(シスター)たちから「離れがたき二人」
と呼ばれていたと。

その親友は
敬虔なカトリック信者・ブルジョワ家庭の次女で(ちなみにカトリックだからものすごい子沢山。11人兄弟だったかな?)、
その子がどんなに聡明で才能に溢れていても
成長した暁には
伝統と慣習と家族に捉えられる運命にある、という
当時の女性の厳しい現実が仔細に記録されていました。
小説、というよりは長い日記のような作品。

日本語訳の表紙は
若い女性に成長した二人の写真。
1928年のもの、結構最近ですよね。
私の生まれる40年前です。

そんな時代のフランスで、
女の子はどんなに勉強ができても
仕事にはつかず、家のために働かされていた。
家族ぐるみの社交の宴会料理を作って、場所とテーブルを整えて。
幼い兄弟の世話をして。
自分には眠る時間も、趣味のヴァイオリンを弾く時間も、友達と思う存分語り合う時間もない。
おまけに、好きになった男性との結婚に親は賛成しない。。。。。。

はー。。

ボーヴォワールは成長の過程で信仰を失い(でもバレルとやばいので大っぴらにはせず)
そのおかげで自分を保つことができたようです。
信仰が足枷になっている、
伝統が、家庭が。。。
なんだか、私たちの親の時代と変わりません。

そう思うと、
フランスはその後の巻き返しがすごいです。
ボーヴォワールや、ほかの女性たちが戦ってくれたおかげ。
いまもみんなで頑張り続けているおかげです🙏




by keikosuminoleb | 2025-03-09 02:05 | 読書・映画鑑賞 | Comments(0)

パリ在住26年ライター&コーディネーター角野恵子目線のパリ情報です。Keiko SUMINO-LEBLANC, journaliste japonaise, FOOD et Life Style.


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