Paris 2024 パリオリンピック・パラリンピックの「表現」
2023年 09月 12日

パリオリンピック・パラリンピック
2020東京からバトンを受けるとすぐに
パリオリンピック・パラリンピック2024は動き始めました。
その中の1つ、インスタグラムで流れてきたこの動画 → Une chorégraphie Originale par Sadeck Waff
車椅子のダンサーたちを、これだけ美しく全面に出した演出をみたのは
私にとっては初めてのことでした。
彼らが表現する『PARIS』『2024』の文字。
ダンスって、人間離れしたアクロバットや特殊な動きだけはなくて、
さざなみのような、ささやきのような、
小さな動作が大きなうねりになって一つの表現になる
こういう「かたち」も存在するんだ、と知りました。
画面を通して、強い「気」が伝わるようでした。
そして思いました、
フランスって本当にすごい、と。
こういう新しい動きをする若い表現者たちが後をたたない国だ、と。
クリエイティビティーの宝庫です。
そのフランスを形成するフランス人は
遡ればいろーんな国からやってきたいろんな出身の人たちです。
ダンスの振り付けを担当したSadeck Waffはアルジェリア出身、
音楽はWoodkid sportify - Woodkid で
彼のお母さんはユダヤ系ポーランド人です。
まるで映画音楽のような迫力あるサウンドに、
世界の音楽シーン、エンターテインメントシーンで活躍するフランス人ミュージシャンは
ダフトパンクだけじゃないんだ(失礼、ごめんなさい!)
ということも教えられました。
そしてフランスという国は、
いろーんな出身の人たちを「フランス人」と大きく捉える。
どこどこ出身だ、と重箱の隅をつつくような差別はしない。
そういう懐の深さ、大きさが、フランスを作ってきたのだなあと
こういうビデオひとつを見てもおもうのです。
もちろん、広く受け入れてきたからこその問題もありますが、
かといって、無難に小さくまとまっている国に、未来はあるのか?
先ぼそりしかないように思えてなりません・・・
女性を指揮者に立てたオーケストラによる国家の演奏→ La Marseillaise s’empare de Paris
パリの屋根に立つ若い女性からスタートするプロモーションビデオ→ Course sur les toits de Paris
オリンピックの新種目BMXやブレイクダンスなどのストリートの競技、
そしてパラリンピックの競技に、特に光を当てています。
こういういちいちに感動してしまう、私はいわゆる「いいお客さん」かな?
男女平等とインクルージョンに、本気で取り組むフランスを感じるから
感動する。
女性が輝く社会を作りたいなら、せめてこういうプロモーションビデオくらい
女性に光を当てないと、ですよね。
日本も、本当はいろんなミックス化があるはずです。
弥生時代には大陸から渡ってきた人々が
大陸の進んだ技術を日本に伝えた、と、小学校で学んだことを覚えています。
そういう先進技術を持った人たち(つまり外国人)が、特別に古墳に祀られたことも。
加えて、沖縄や北海道には独自の文化・民族が存在して、
ふだん無意識に使っている「日本人」という言葉も
フランスくらい熱心に探求すれば、実際にはかなりのダイバーシティがあるはずです。
島国だから
ついつい周辺諸国との比較研究が疎かになりますが、
その辺、意識するだけでも、見え方が違ってくるの気がします。
最近、日本の存在感がどんどん減っています。
テクノロジー、文化、経済、などなどの面において。
そして、弱くなってしまった円の力が回復することは、
私が生きている間はない気がします。
自分たちを知ることから、なにができるかが見えてくる気がします。
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by keikosuminoleb
| 2023-09-12 19:52
| パリのニュース 街と人
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