モンマルトルの丘にある、『Le Coq Rico』
ル・コックリコ。
これがもしル・コクリコならポピーの花の意味ですが、
ル・コック ←雄鶏、と
コクリコ〜 ←雄鶏の鳴き声、コケコッコ〜
を合わせた、面白い店名。
店名を見れば、
フランス人はソク、鶏料理を想像するわけで・・・
ル・コックリコは
フランス各地の地鶏を使った、ローストチキン専門店です。
店内は3つのコーナーからなっていて、まずはこちら、オープンキッチンのコーナー。
この隣にメインのテーブル席フロアがあり、
その奥に、大きなダイニングテーブルが1つだけどん! ある、ダイニングコーナーがありました。
この日、私はダイニングテーブルに陣取って、フランス・ランド県のほろほろ鳥生産者と一緒にランチ ❤️
まずはル・コックリコ名物の前菜3種:
左から、ガチョウのフォアグラのパテ・アン・クルート
オードブル3種盛り合わせ
(レバーとホースラディッシュ、カレー風味のコロッケ、ハツ、フォアグラ、リンゴのグリル)
ウフ・マヨとツナのサラダ
とろける鶏レバーを久しぶりに食べました。ホースラディッシュの香りがミソ!
そしてビストロ定番メニューのウフ・マヨ、シェフが手がければこの仕上がりです。
ラディッシュ、チャービル(セルフイユ=フレンチパセリ)、ビーツのベビーリーフ・・・
新鮮生野菜の個性的な風味が口の中で弾けます。
写真には難しい照明がテーブルの真上にあり、美味しそうに写っていないのが残念。
前菜とサンセールの赤だけでも十分に満足だったのですが、
これからがメイン!
まず、エグゼクティブシェフ氏がローストしたほろほろ鳥をテーブルで披露。右が生産者のブノワ・テペニエさん。
さすがにシェフの作る鳥の丸焼きはただの丸焼きではなく・・・
まず、丸一日かけてブイヨンを作り、一旦それを一晩寝かせ、翌日、そのブイヨンに鶏をまるごと一羽漬け込んで低温で下ごしらえ。この時、胸部分ともも部分は火の入り方が違うので、それを考慮して鍋に入れるのだそう。
下ごしらえした鶏を一晩休ませ、翌日にロースターにかけて仕上げる、という・・・
「難しいことはありません。
家庭でも作れますが、
丸3日はかかる仕事です」
と、エグゼクティブシェフ。
披露してくれたほろほろ鳥を切り分け、3種類の付け合わせとともにテーブルに運んでくれました。
普通は、付け合わせは1つだけです!
自家製フライドポテト、マカロニグラタン(絶品!)野菜のグリル、
この中から好きなものを選びます。
グリーンサラダは必ずつきます!
ちなみに、ここのフライドポテト(フレンチフライ、フリット)は
パリで一番美味しいフリット
に選ばれていますよ〜!!
「必ず肉汁をかけて食べてくださいね。
この肉汁も、3日間かけて煮詰めるんですよ」
とエグゼクティブシェフ!
放し飼い以上の手間をかけて飼育された、
特別なほろほろ鳥。
しっかりとした食感でありながらも柔らかく、
香りと風味の濃さはジビエに近い感じ。
じっくり時間をかけて咀嚼し、
いただきました。
生産者のこと、ほろほろ鳥たち自身のこと、
そして最後の仕上げをするシェフのこと。
咀嚼しながら色々考えました。
以前、アメリカ人ガイドの男性が話してくれました。
「ル・コックリコにお客様をお連れすると
みんな必ず『美味しかった』という。
そしてやっぱり必ず『でも高いね』と。
定番料理だけでなくて、
元3つ星シェフならではの特徴を
どこかに加えてくれれば
お客さんも値段に納得するのでは?」
でも、私は思いました。
特別な地鶏だけに特化したレストランだから、
シェフ自身の特徴ではなく、
類い稀な食材の素晴らしさを前面に押し出しているんだ、と。
つまり、ル・コックリコの主役は
シェフではなく、地鶏たち!
(それを食べるお客さんが、何をおいても一番の主役なんですが)
ここで簡単に、ル・コックリコのシェフアントワーヌ・ウエステルマンさんの紹介を。
(注:写真に写っているのは、モンマルトル店のエグゼクティブシェフです)
元アルザスの3つ星シェフ、
かのアラン・デュカスさんらと同世代のベテラン。
2003年、3つ星シェフでありながら「モン・ヴィエイユアミ」というビストロをパリにオープン。
星付きシェフがビストロをやる、というムーブメントの先駆者だったわけです。
2007年にはアルザスの三つ星レストランを息子に委ね、同時にミシュランの星を返上。
ル・コックリコは2012年にスタート。
なんと、アメリカ進出も果たしました!だから、アメリカ人に人気なんですね。
さてさて、ランチはまだ続きます!
ル・コックリコの人気デザートたち!
ブリオッシュ・ペルデュ。
爽やかなバジルのシャーベット添え!
ガナッシュのミルフィーユ❤️
チョコレートが濃厚なのにうっ・・・とこない!すごいです!!
イルフロッタント
ふりかけた黄色いパウダーは、クリスタル化させたキャラメル。
ル・コックリコでは
このように、生産者を招いてのランチ&ディナーイベントを定期的に開催しています。
まるまる一羽のローストチキンは3〜4人分の分量があるので、大勢で出かけましょう!もし残ったら、ドギーバックにしてくれます。大切に飼育された鶏を、残すなんてもってのほか!私は骨さえももらって帰りました。これでブイヨンをとらなきゃもったいない!!捨てるところはありません!
ランチの日替わりプレート 15ユーロ
丸焼き一羽のロースト 91ユーロ〜(鶏の種類で値段が変わります)
98 Rue Lepic
75018 Paris, France
+33 1 42 59 82 89
営業時間:12pm–2:30PM, 7pm–11PM
定休日:なし
パリの街を歩いていると、
肉屋の店先にローストチキンがぐるぐる
回っているのを目にしますよね。
「これ、食べてみたいな〜」
と、大勢の人が思ったことと想像します。
そんな時、これまでは
メートル・アルベールをすすめていたのですが、
これからはル・コックリコも選択肢に入れます!
ここの鶏さんは、ただものではないことが
生産者のお話からよくわかりました!!
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