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ル・ソリレス 〜常連で賑わう本物ビストロ!

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5月末、
日本のある雑誌の編集長と、気のおけないランチタイム。


お店は、去年9月のパリ取材でも候補に挙がっていた
Le Sot l'y Laisse  ル・ソリレスです。
土井原英治さんがオーナーシェフ!
日本人!

ナシオンと、ペール=ラシェーズ墓地の間、という
日本人観光客には馴染みのないエリアに
「昔からそこにあるような」店構えで・・・
まさか日本人シェフの店だとは
誰も想像しないでしょう。

ランチは2皿(前菜+主菜/主菜+デザート)19ユーロ
または3皿(前菜+主菜+デザート)25ユーロ
それぞれ2品ずつ選択肢がありました。


かなーりお値打ち!
これも、「このエリア価格」(庶民派)ということでしょうか・・・


この日の前菜は、
スモークサーモンの一皿、または
ジャガイモのムスリンと温泉卵。

私は上の写真の、ジャガイモの一皿を選びました。
ご覧の通り、季節の野菜が添えてあり、
その野菜が綺麗にツヤっとドレッシングされていて
見ているだけで嬉しい!
ジャガはあくまでもなめらか・・・
丁寧です〜、本当に!
たとえ食材はジャガイモでも、こういう料理は家庭では作れません。


メインは、鶏肉のグリル、または
白身の魚のリゾット。

お魚のリゾットを選びました。
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ドライに仕上げたポロ葱。
添えた葉っぱはやはりツヤツヤ!
パルメザンたっぷりのリゾットと
肉厚の白身魚を一緒に口の中に運べば・・・
これ以上何を望みますか!?
今、写真を見ながら思い出したのは、
バターで焼いた魚の表面の濃い旨味です。
こういうところに
料理人の力を感じますよね。

同席した2名は、
二人揃って鳥。
うますぎてうますぎて、
死にそうになっていた編集長の皿から
ソースを舐めさせてもらいました。
さらっと透明感のあるソース、
でも味わいやコクはしっかりと・・・
定食屋のふりして、全然違う!
編集長は、日本人料理人の丁寧さを
ひたすら言っていました・笑



デザートは、クレームブリュレ(メゾンの名物だそう!)
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または、
季節のさくらんぼのタルト。

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さくらんぼは、ダークチェリーとナポレオンの2種類を
2つの調理法で調理し、
タルトにしていたように記憶しています。
バターサブレをベースにしながらも、
さっぱりと、重くないデザートでした。

そして、
この時、一口もらったクレームブリュレ・・・最高!!!
飲めるようななめらかさ。
やー、思い出しただけで
よだれが出ます。



伝統的な内装の店内、
個人的にとても落ち着きます。
同時に、「うまいもの食べるぞー!」という気になる!!
ビストロは本来、大衆食堂ですものね。
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そして、花がいい!!
昔、もう20年以上も前になりますが、
「いい店の見分け方は、立派な花を飾っているかどうか。
流行っている店は、花にもお金をかけられるから」
と聞いたことがあります。

驚いたことに
この日はなんと、マダムの暁子さんが生けたそう。
シソのようなフレッシュな葉と、大輪の芍薬。
面白い組み合わせですよね!
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お店のフェイスブックを見ると、
素敵な花の写真がたくさんアップされています。
ここのお花は、
日本人のshocoline さんが担当しているそうです。

このところ
「パリのおいしい店には、必ず日本人シェフがいる」
と言われていますが、
それよりも
「パリの素敵な花は、たいてい日本人フローリストが手がけている」
と言いたい!!





お花の他に目を引くのは、
ジャパニーズウイスキーのラインナップ!
ニッカにサントリー、
パリでも話題なのです。
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この日もフランス人の常連さんが
アペリチフにジャパニーズウイスキーを選んでいました。
いいじゃないですか〜。


もちろんそれだけでなく、
ここはワインリストが素晴らしい!!
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なんと、シャンパーニュ『サロン』もありました!
そんなビストロ、これまで見たことありません!!
しかも値段が、ほぼ免税店の金額。
ブルゴーニュも、飲んでみたい銘柄が
ズラララーーーっと・・・

これはシェフの情熱の賜物で、
各メゾンと直接取りひきをしているからこそ
ラインナップであり、金額だということです。

そういえば・・・何年か前に、
ボルドーの有名シャトーの責任者が嘆いていました。
「レストランは、料理の金額を抑える分
ワインの値段を高くする」と。
(お客さんは料理の値段で店を比較するから)

どこかでもうけを出さないと
経営できません・・・でも、
「私たちとしては、できれば自分たちのワインを
適正価格で
お客様に提供してもらいたい」


ワインに上乗せがない土居原シェフの店には
喜んで商品を出してくれるメゾンが多いのだ!


〈一口メモ〉
憧れのシャンパーニュ『サロン』❤️
エノテカのオンラインショップから
お取り寄せできます。→1999 サロン・ブリュット・ブラン・ド・ブラン[ボックス付] (SALONBRUTBLANCDEBLANCS[BOX]) / サロン スパークリングワイン 750ml
75600円!
世界唯一、最高の年のミレジメしか作らないメゾン、
1本の値段もものすごい・・・
しかし、メゾン見学をさせてもらった後では(2013年だったかな?)
この値段にも納得できてしまうという。

『サロン』の姉妹メゾン、
『ドゥラモット』は素晴らしいコスパです!
エノテカのオンラインショップからお取り寄せ →ドゥラモットブリュット[ボックス付] (DELAMOTTEBRUT[BOX]) / ドゥラモット スパークリングワイン 750ml
6480円



ル・ソリレス 〜常連で賑わう本物ビストロ!_a0231632_23275017.jpg
70, rue Alexandre Dumas
75011 Paris
TÉL : +33 1 40 09 79 20


ランチコース:
2皿19ユーロ、3皿25ユーロ
*アラカルトあり

ディナー:
前菜 16ユーロ〜
主菜 25ユーロ〜
デザート、チーズ 8ユーロ〜

定休日:日曜
(月曜と土曜はディナーのみ営業)



この日は
日本語で丁寧にメニューの説明をしてもらい、
シェフとももちろん日本語で会話をし、
すっかり上機嫌の私たちでした。



「ちゃんとソースを作るフランス料理を出したい」
「ボリュームもしっかりあって、
食べた人たちに単純に喜んでもらえる料理を」

と、土井原シェフ。


一時期はやりましたよね、ソースのないフランス料理。
「素材の料理」とか言われ
(フランス語ではよくそう表現されていました)
もちろん美味しいのですが、
「じゃあ、カーレム、エスコフィエから続く
フランス料理の伝統技術はどうなるの?」
と思ったものでした。
時代遅れと言われようと、私は舌平目のムニエルや
赤ワインを使ったソースが好きです。

そして
どんなに手間がかかっても、クラシックを作るシェフが好きです。
だってせっかくなら、フランス料理を食べさせてもらいたいですから!
(家で真似できませんから!!)


次に行く時は、
ワイン好きな友達を誘おうと決めています!
ここのワインリスト、活用しないとソン!







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Commented by Marie at 2016-06-04 03:22
Keikoさんのように、Parisに住んでらしたら気にならないでしょうが。。。飛行機に乗って、わざわざParisに行った場合は、おなじフランス料理を外で食べるなら~
やはり、日本人シェフをわざわざ選んだりはしないでしょう。
それでも、このお写真と文章から、すごくおいしさ伝わってきちゃって・・・
次回、行くぞ~って気にさせていただきました。
Commented by keikosuminoleb at 2016-06-04 05:59
> Marieさん

いえいえ、私も全く同感で、
あえて日本人シェフの店にはいかない人なのです!
皮肉なことに、それが仕事にマイナスになるのですよ(日本の媒体は日本人シェフ好きのようです)。

そんなわけで、ここも話には聞いていましたがずっといかず、
日本からの編集長の希望で出かけたような次第なんです。

そしてまたこれが皮肉なことに、行ってびっくり嬉しい驚き! となるのが
日本人シェフの店でもあります・笑

ちなみに、私はまだクルーンカフェにも行っていないですから!
本当に日本人シェフはノーチェックで、
フランス人の友達が予約をしようとすると、別の店を推薦するくらい。
そういうところを直すべきかなと反省します。

でももし、私がフランス人で、
東京に住んでいたり、東京に旅行をしたりするとしたら、
フランス人がやっている和食の店にはいかないと思います。
そういうことですよね。

Commented by Marie at 2016-06-04 16:48
はい、まさに~ おっしゃる通り。で!
同じような状況(ちがうかな)で。ワタシの住むTokyoで、友人とフレンチを食べに行くにあたり・・・
彼女が選んだ店が、日本人のシェフでした。まあ日本ですからそちらが多数派ですが、あえてそこ?っと最初に思ったのは事実。その店を選んだ友人は、フランスに精通していて、ものすごいレベルの人なのに? ここ?って。
そしたら、すごかったです~
日本人って、努力家で器用で、繊細ですし美意識も高い。
そうなのか~ 日本人として、自分が日本人であることの嬉しさを自覚させてくれる夜でした。
自分を、今の人生を好きでいないといけないなあっと。
もっと強く感じました・・・
このお店、ぜったい行きます!
Commented by keikosuminoleb at 2016-06-05 04:24
> Marieさん

まさに同じ状況ですね・・・笑

思うのですが、大多数の日本人が求めている最新情報は
フランスで話題になっていることをそのまま伝えるものではない、という気がしますね。
ようは、私たちはマイノリティーなのかも・・・
でもいいですよね、好きなものは好きです!
by keikosuminoleb | 2016-06-02 06:22 | FOOD | Comments(4)

パリ在住26年ライター&コーディネーター角野恵子目線のパリ情報です。Keiko SUMINO-LEBLANC, journaliste japonaise, FOOD et Life Style.


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