人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ブルゴーニュのタンポポジャム『クラマイヨット』 La Cramaillotte


ブルゴーニュのタンポポジャム『クラマイヨット』 La Cramaillotte_a0231632_02490037.jpg


黄金に輝く、ジェル・・・?

なんだろう?
と、思いますよね!

タイトルに種明かしされているので
お分かりだと思いますが、
これ、タンポポのジャムです。
ブルゴーニュはシャトー・ド・クールバン & Spa NUXE
シェフパティシエール、
長谷川佐恵さんからのプレゼント 058.gif
(*こちら←ブログ終盤に、佐恵さんが登場します)


4月末、佐恵さんのフェイスブックに
カゴいっぱいに摘んだタンポポの写真がアップされ、
「何に使うんだろう?」
不思議に思い、伺ったところ、
「ジャムにするんですよ」
との回答。



タンポポのジャム?!
フランス生活19年になりますが、
聞いたこともありませんでした!

だいたい、タンポポって
苦いですよね?
それがジャムに??

フランスでは春になると
タンポポの葉のサラダを食べます。
タンポポの葉は日本のタケノコのように
春の訪れを告げる食材。
ほろ苦い風味が特徴なので、
タケノコよりはふきのとう的と言えるかな。



そんなわけで、
タンポポ=苦い、というイメージ。
だいいち、子供の頃
タンポポの茎を折るとでてくる
ミルクのような液体を舐め、
苦くてびっくりしたという苦い(!)経験が・・・ありませんか?



そんな苦いタンポポが、本当にジャムになるのか?
もしかすると、マーマレードみたいに
苦味を楽しむ一品なのか??


頭の中で思いを巡らす私に、
シェフパティシエールが実物をプレゼントしてくれたのでした〜!!
なんと優しい佐恵さん!!!
感謝です!



佐恵さんのお話しによると・・・



「タンポポのジャムはブルゴーニュ地方の名物で
クラマイヨット、と呼ばれています。
この辺りでは、タンポポのことをピスアンリではなく
クラマイヨットと呼ぶそうです。

シャトー・ド・クールバンの周辺に住むフランス人の友達が
レシピを教えてくれました。

見た目も味も、ハチミツみたいなんですよ」




ハチミツ!
確かに、黄金に輝くクリアな色は
アカシヤのハチミツそのもの。
でも、苦いタンポポが、ハチミツ味になるのか?
食べてみたい!!


「重くない簡易包装にしてあるので、
瓶に移し替えて使ってくださいね」


という佐恵さんのアドバイスに従い、
ヴェリーヌ用のグラスに移し替えてみました。



確かに、ハチミツ!!!
ブルゴーニュのタンポポジャム『クラマイヨット』 La Cramaillotte_a0231632_02500394.jpg




お話を聞いた時から
フロマージュブランにかけて食べよう! と決めていた私。

ブルゴーニュのタンポポジャム『クラマイヨット』 La Cramaillotte_a0231632_02504691.jpg
太陽のネクターを注いだよう 058.gif





味は、

確かに、ハチミツに似ています。


同時に、何か他のものにも似ている・・・
多分、材料の柑橘類のせいだと思います。
でも、何なのか・・・
思い出せない・・・


そして、レシピを検索して、またびっくり!
ベルギーのサイトLes Jardins de Pomone (ポモーヌの庭たち)
によると、
タンポポのジャムは
手がかかるったらありません!!

まず、
「12時から15時に花を摘むのが一番」
その理由は
「この時間帯は太陽が良く当たり
花がもっとも開いているので、ジャム作りの過程で
最大限に花粉を抽出できる」

そうやって細心の注意で摘んできたタンポポは
次のように調理されます。

「水と柑橘類の絞り汁を鍋に入れ、火にかけ、
沸騰したらタンポポの花を加え、再度沸騰したら45分間煮続ける。
そのまま一晩おいて冷ます。
翌日、ボウルの上にふるいをセットし、冷めた鍋の中身を注ぐ。
液体がポタポタと落ちるのを待ち、
最後によく絞って無駄なくすべての液体を集める。
集めた液体を鍋に入れ、砂糖を加えて火にかけ
沸騰したら50分間煮込む」


2日がかりです!
しかも、お天気まで重要な要素だったとは・・・

佐恵さん、
大変な手間をかけて、作ってくださったのですね。
いただいたクラマイヨット、
佐恵さんの心のこもった味がします、本当に!



今回、
クラマイヨットとタンポポジャムを検索して
わかったのですが、
ベルギーにもタンポポジャムで知られる村があるそうです。
(だいいち、私がレシピを見つけたサイトも
ベルギーのものです)
それから、日本にも何人か
ブログでレシピを紹介しているかたがいました。
・・・私は、今まで知らなかったのですけど・・・




あ、でも、
知り合いのパリジャンに話したら
彼もやはり、タンポポジャムは初耳!
「アカシアの花のジャムなら知っている」
と、逆に別の新情報を教えてくれましたが(笑)。

花のジャムについて、調べたくなります。
ちなみに、私のバイブル、エスコフィエのレシピ本と
フランスの料理学校の教科書のどちらにも
クラマイヨットのレシピは載っていませんでした。


佐恵さんと一緒にタンポポを摘んで、
ジャム作りができたら・・・
そのためだけにでも、また
ブルゴーニュへ、
シャトー・ド・クールバンへ行きたいくらい!
佐恵さん、
本当にありがとうございました! 058.gif058.gif058.gif



*シャトー・ド・クールバンについては、こちら! ご覧ください







おまけ:
シャトー・ド・クールバンの朝の一枚。
右から長谷川佐恵さん、
シェフの木下隆さん、
ワインジャーナリストのToshio Matsuuraさん、
獺祭パリ担当の飯田薫さん、
そして私。



ブルゴーニュのタンポポジャム『クラマイヨット』 La Cramaillotte_a0231632_16394074.jpg
長谷川佐恵さんのタルト・・・
天下一品でした。
あれを超えるタルトはそうないでしょう。
「タルトは女性が作る方が美味しいのでは」
と思ってしまいました。
佐恵さーん、また会いに行きます〜〜〜






【お知らせ】
翻訳を担当させていただいた
ラデュレダイアリーにも、素敵なレシピがたくさん掲載されています。
テーブルセッティングのアイデアや
フランスに伝わる名言・格言などもちりばめた
読めるダイアリー、ぜひ一度ご覧いただいたいです!!





*****

角野恵子、こんな仕事をしています。→こちら
取材、コーディネート、旅のお手伝い、ご質問etc コンタクトはこちらからどうぞ。→こちら




Commented by kanafr at 2016-05-09 07:00
まあ、なんてきれいな色のジャムでしょう!
お日様色のジャムで、何だか元気が出そうなジャムですね。
タンポポのジャムって、初めて知りました。
さらに、こんなに手間をかけて作るジャムと知って、ビックリしました。
長谷川さんが、心をこめて角野さんの為に作られたんだろうなあと思ったら、読んでいる私も、心がホッコリしました。嬉しいプレゼントで元気がでますね。
Commented by keikosuminoleb at 2016-05-10 04:25
> kanafrさん

本当におっしゃる通りで、
食べると元気になれるのです!
で、「何かに似ている・・・」と思った何かは、
やっぱりじゅんつゆ・・・昔の飴です。
食べた瞬間に「あれ?! もしや・・・いやいや、そんなはずはない」と感じ、
繰り返して食べながら「やっぱりじゅんつゆだ」と確信。
たんぽぽジャムに失礼かしら???
でも、
懐かしい、私の祖母を思い出させてくれた味。
そう思うと、長谷川さんが心を込めて作ってくれたジャムだからこそ
なのではとも思うのです。
by keikosuminoleb | 2016-05-07 06:13 | FOOD | Comments(2)

パリ在住26年ライター&コーディネーター角野恵子目線のパリ情報です。Keiko SUMINO-LEBLANC, journaliste japonaise, FOOD et Life Style.


by KSL