アラン・デュカスの新ブラッスリー、Champeaux シャンポー

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この4月、新しく生まれ変わった
レ・アルのショッピングセンター、フォーラム・デアル
ここに、かのアラン・デュカス氏のレストランがオープンし
話題です!
「ダサいレ・アル」が「イケてるレ・アル」に変身したことを、
これだけ明確に象徴する出来事はありません。

店の名前はChampeaux シャンポー。

デュカスさんのお話によると・・・

「シャンポーは、1800年に
このすぐ向かいの商工会議所広場にオープンした
レストランの名前です。

同時に、中世の時代から
この辺りは『シャンポー』(小さな畑・原っぱ)
と呼ばれていた歴史がある。

生まれ変わったフォーラム・デアルに
新しいレストランをオープンするにあたり、
21世紀のブラッスリーの原型になるものを作ろうと思いました。
そこで、1800世紀のレストランを
2016年に蘇らせたのです。

店のロゴは、
私が収集している古い料理文献の中に
シャンポーのオリジナルメニューがあるので、
そのメニューから、当時のタイポグラフィーを引用しました。

21世紀に蘇る、1800年の老舗、
それを実現することができ、嬉しいです」



デュカスさん、この日のプレスディナーにご招待くださり
本当に有難うございました!

21世紀のブラッスリーには
バーカウンターが欠かせません!
オリジナルカクテルも6種類あり。
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オリジナルカクテルの中から
「ラ・アル・デ・アル」をチョイス。
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グレイグース・ウオッカbyアラン・デュカス
アラン・デュカスセレクションの日本酒がベース!
デュカス一色の1品!!



そしてこの日のディナー053.gif
前菜は、季節の野菜の温&冷サラダ 14ユーロ
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いいレストランの野菜料理は、本当に絶品。
野菜そのものが「いいもの」なんですよね〜〜〜


メインはヨーロピアンシーバス 28ユーロ
(カジュアルな店でも、高級店流のサーヴィス!)
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魚の下に敷いたソースが、
ゆず味噌のような和の風味・・・
あれはなんだったのか? 美味しかったー!
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デザート
チョコレートのスフレ 12ユーロ
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スフレはこの他に、
オレンジ&コワントローと
ピスタチオ&塩バターキャラメルがあり。
チョコレートはアラン・デュカスのマニュファクチュールのものを使用。
(*マニュファクチュール
ル・ショコラ・アランデュカスについては→ こちらを!
とても軽く、いっぺんに3種類制覇できそう。
アイスクリームと一緒に食べることを計算した
抑えた甘さなんでしょうね。


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クロックムッシュー(12ユーロ)や
タルタルステーキ(20ユーロ)など
定番のカフェメニューもあって、
それらはいつ、どんな時間でも注文できる仕組みです。
ランチやディナーの時間に左右されずに済むので
旅行者や、忙しい現代人に好都合。

また、ブラッスリーの伝統に則って
1週間の曜日ごとに
日替わりのプレート(22ユーロ)があります。
金曜日のクネル、
食べにきたいぞー。
ナンチュアソースと明記されているので、
きっとパリではなかなかお目にかかれない
本格派のはず!!



黒板メニューではなく、
昔の終着駅にあったような(または空港のような)
パタパタパタ・・・と表示が変わる掲示板が
メニューボード。
余談ですが、北駅の発着表示が
このパタパタから電光に変わり、どんなにがっかりしたことか!
ここで再会でき嬉しいです・・・
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↑あまりよく見えませんが、
サーヴィスの面々のエプロンが
肉屋の片がけエプロンになっているのです!
レ・アル在りし日の姿を彷彿とさせるこのディーテール。
いいですよね〜〜〜〜053.gif
(蛇足かも、ですが、「レ・アル」は中央市場の意味で、
60年代まではここにパリ中央市場がありました)




180席の大スペース!
NYみたい!!(って行ったことありませんが)
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ガラス張りの向こうに
ライトアップされたサントゥスタッシュ教会が見えます。
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現代のダイナミズムと
昔からここにあったような暖かさ、
その両方が混在するブラッスリー。
ある意味、今のパリらしいと感じます。
(*今のパリを象徴する『サマリテーヌの改装工事』は、こちらを!
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restaurant Champeaux
Forum des Halles La Canopée
75001 Paris
営業時間 : 11H30 - 深夜
(木〜土曜は翌1時まで)
tel : +33 1 53 45 84 50




外から見ると、こんな感じ。
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レ・アルの新しい顔となった、この透明の屋根は
「カノペ」と呼ばれています。
カノペとは、深い森林の表面のことだそうで、
面白い名前をつけるなあと。

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この屋根の下に、たくさんの、いろんな人が集まって
いい時間を過ごしますように。
そんな願いが名前に込められていると
感じますよね。

より良い未来へ向けての都市開発を、市と、建築家と、シェフ、
そしてそこで働くスタッフみんなが
一緒になって推し進めている、そんな実感も得られた
と言ったら、大げさかな。

デュカスさんの店は、パリだけでも
オー・リヨネ、
ブノワ(こちら!)、
レッシュ、
スプーン、
ジュールヴェルヌ(こちら!)、
プラザアテネ(こちら!)・・・
などなど、数多くありますが、
このシャンポーはとても使い勝手のいい店だと思いました。
何せ、朝11時30分から深夜まで、ノンストップ営業、
席数も多いので、予約なしでも心配いらず。
いいですよね、こういうお店!





*レ・アル改装のムーヴィ、結構すごいです!→ Réinventer les Halles, 2011-2016

*新レ・アルの建築建築の写真をアップしました! →こちらです!

今回もデュカス氏の写真を撮り逃しました。
次回こそ絶対!








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角野恵子の共著書、翻訳本、よろしければ手にとってご覧くださいませ。








角野恵子、こんな仕事もしています。→こちら
取材、コーディネート、旅のお手伝い、ご質問etc コンタクトはこちらからどうぞ。→こちら








Commented by Marie at 2016-05-03 02:57 x
すばらしい~!
まさに、「いまのParis」が。がんがん伝わって来ます・・・
むかしっからのBistrot、だーいすきですが?
例えばカスレばっかり食べたいワケではありません(笑)重くて疲れちゃう・・・でも。すべてがまあたらしく、なんだか材料すら判らないお料理がいいっと言うのともちがう。
勝手な話ですけど、両方のうまい具合のバランスが、まさにいいのですが。当然これむずかしいですよね?
彼にしかできない、実に的を得たすてきなお店!
ぜったい行くぅ~ ご紹介ありがとうございます。
Commented by keikosuminoleb at 2016-05-03 14:08
> Marieさん

そうですよね、パリに来たら、パリらしいもの、フランスらしいものを
食べたいですよね。
新しい料理は、オーストラリアで食べようが、北欧だろうが、下手すると東京やシンガポールで食べたって
同じ「国籍のない料理」という印象で一貫される可能性があります。
旅の思い出のためにも、その国らしさを大切にしたバランスのいい店が必要。

先日ノルマンディーへ日帰りドライブをしたのですが、
ノルマンディーらしいもの、その土地の特産品があるといいのに、と
とても思いました。
Commented by Marie at 2016-05-03 17:14 x
まさに、そうなのです!
いまの躍動感ある新しさ、でもそれがフランスらしくなければさみしいです…どこでも本当にNYの出来立て話題のお店、みたいのでは困ります。
さすが、フランス人はバランス感覚が天才的ですよね〜
ノルマンディ?あそこにはノルマンディらしいごちそうはないのですか??
Commented by keikosuminoleb at 2016-05-04 00:45
> Marieさん

ノルマンディーはブダンノワールやアンドゥイユ、りんご、シードル、カルヴァドス・・・
と名物が多いですし、
確かフランスで一番農産物(野菜等)を多く生産している地方だったと思います。
が、これらを食べたいと思っても、なんかフツーのカフェみたいなのしかなく・・・
しっかりリサーチすればあるとは思うんですが。


Commented by kanafr at 2016-05-09 06:44
アランデュカスのお料理がお手頃のお値段で、しかも予約なんぞの面倒な手間もいらずスタイリッシュな空間で味わえるなんて、嬉しいですね。
是非、日本からの友人を誘って行ってみたいですわ。
角野さんがおっしゃる駅の掲示板..本当に私もアレが好きでした。ここでお目にかかれるなんて嬉しいですね。
Commented by keikosuminoleb at 2016-05-10 04:17
> kanafrさん

わ〜、あの掲示板に共感していただけて嬉しいです〜〜〜❤️
風情がありましたよね、なんで電光掲示板変えてしまうのだろう・・・

デュカスさんの店、サーヴィスの若い子たちがやる気満々で、
生き生きと仕事をする彼らを見ていると
このように職場を生み出し続けるデュカスさんの功績は計り知れない
と思うのでした。
by keikosuminoleb | 2016-05-03 00:42 | FOOD | Comments(6)

パリ在住26年ライター&コーディネーター角野恵子目線のパリ情報です。Keiko SUMINO-LEBLANC, journaliste japonaise, FOOD et Life Style.


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