SANAA手がけるサマリテーヌ 工事中

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ルーブル美術館の脇、リヴォリ通りにある
パリ服装文化美術館で『バービー展』を見た後、
そのまままっすぐ、リヴィリ通りをぶらぶら・・・
(*『バービー展』の様子は→こちら 

目的は、現在工事中のSamaritaine(サマリテーヌ)を見るためです。

サマリテーヌ!
1870年に創業し、
2005年、その長い歴史に幕を下ろした百貨店。
リヴォリ通り側はアールヌーボーで、
セーヌ川沿いはアールデコ、という
とても贅沢な建築物でもあります。
当然、歴史的建造物。

多分、みなさまもご存知の通り、
このサマリテーヌを、ルイヴィトンでおなじみの
LVMHが買収し、
最上階をラグジュアリーホテルとガストロノミーレストラン、
中間の階をショッピングモールやオフィスに改装する・・・
その工事の真っ最中です。

そしてなんとついでに
パリ市営住宅や保育園までも
兼ね備えた建築になるというからすごい!!
まるで「これからの都市と建築の在り方」を具現化するような
素晴らしい計画。
この改装プロジェクトの指揮をとっているのが
日本の建築ユニットSANAAなんですよね!!
 *TLmag 24でSANAAインタビュー担当しました〜
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 ↑左ページの、こんな感じに仕上がる計画のようです!!(*TLmag 24 インタビューから)



しかし・・・
この夢のような改装計画も、
まずパリ市の許可を得る段階で手間取り、
そのあとは市民団体の反対で中断。
予定より、えらく時間がかかっています。
だからこそ、気になるのです
「今、実際にはどうなっているのかな?」と。


こうなっていました!
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ビルが取り壊されていつも思うのは
「ここって今まで、何があったっけ?」



石の街、パリにそびえるクレーン。
なんだか・・・萌えます!
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オスマン建築の屋根や煙突との対比に
なぜかグッと・・・
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足場の奥に見える外壁は、
アールヌーボーの特徴である植物文様。
修復され、輝かんばかりの美しさ!
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もう同じものを作ることはできないから、
労を惜しまず(予算もかけて)保存するのですよね。
スクラップアンドビルトにNOと言える
パリ。立派!
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向こうはセーヌ川。
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そしてこの、ずらりと連なる
オスマニアンのアパートの向こうは、レ・アル。
最近新しく生まれ変わったレ・アルです。
新レ・アルの様子は→ こちら!
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パリは「屋根のない美術館」と表現できるくらい美しい古都ですが、
同時に、現代人が活動する世界有数の首都でもある。
その両方をこれだけ上手く同居させた実例は
そうないのでは?
ロンドンもいいですよね。
ロンドンの方がよりダイナミックで、
パリの方がより「保存」を優先している感はあります。
(あちらには国王が現存するけど、
こちらにはもうないから、残せるものは頑張って残そう、という意思?)



それにしても、この工事現場を見ながら
『バービー展』以上に気持ちが上がったのは
どういうことでしょう?
もし今、パリを旅する友人がいたら、
ここを見せたいくらいです。
「歴史に立ち会う」「歴史を目撃する」
ような価値がある気がしますよ!





おまけ:レ・アル。
公園部分は今も工事中です。こちらも新旧。
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【お知らせ】
19世紀半ば、時の政治家ジョルジュ・オスマンによって進められた
パリ改造。
この時に、ファサードの装飾や建造物の高さが統一され
現在のパリの街並みが生まれたといいます。
そしてパリジャンは、今もこの景観を守る努力を惜しみません。
ということは、パリのど真ん中に、新築物件はありえない!
家探しがそのまま、中古物件探しということになります。
引っ越しにはリノベーションがつきもの。
そんな彼らの常識を、レポートさせてもらいました。
DIYリノベーション派と
プロに依頼する派、
2つの実例も紹介しています。






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Commented by Marie at 2016-04-26 01:40 x
わあ〜!
実はワタシも、半定期的に(笑)サマリテーヌの工事を見に行っているひとりですので〜もんのすごくお気持ちの高揚が、自分のコトのように伝わってきます…
サマリテーヌのリニューアルを、本当にずーっとずーっと楽しみに待っているいちファンとして。
今回のテーマは、脈拍が倍になるくらい興奮しました!ありがとうございます。
いつもrue de Seine付近にいましたので、ココは毎日、いえ1日に何回も通っていました…
当時。Bon Marcheよりカジュアル、Printempsより気取らず、なのになんでも揃う…とても頼りになる存在でしたので。建物基礎に問題が見つかり、閉まってしまってからは、ココロから仲良しの友達に会えないのとおなじさみしさを感じていました。
待つ甲斐がありそうなワクワクした予感…あの中央にあった美しい階段や、最上階の天井のようすなど、忘れることができませんもん!
「生きてるParis、生きていくParis」を感じることができ、どんなにkeikoさんがParisをフランス人を愛してらっしゃるかが伝わってきます…
また、ぜひ経過おしらせくださーい!Merci
Commented by keikosuminoleb at 2016-04-26 03:45
> Marieさん

工事現場の話題に、こんなに共感してくださる方がいたなんて!!
感激です! 笑

実は私、営業していた頃のサマリテーヌは
あまりよく知らないのです・・・
Marieさんではないですが、
1997年にパリに引っ越してきた当時、すぐそばのrue du temple に住んでいたのですが
多分3回くらいしか行ったことがない気がします。
でも中央の階段と、手芸コーナーの充実ぶりはよく覚えていますよ!
あと、最上階のレストランtout paris も・笑

「なんでも揃う」がキャッチフレーズだったサマリテーヌ、
どんな風に再オープンするんでしょうね!
本当に楽しみです! 
経過、逐一報告します!!
Commented by kanafr at 2016-05-01 07:40
私も、サマリテーヌのデパートのメンバーカードを作った位なので、よく利用していました。
他の方のコメントの通り、あそこの中央階、段素敵でした。
あそこは、上の階に画材コーナーもあって、1年に一回は、イルドフランスの絵描きさん達の作品即売会なんかもありましたし、地下に生地のコーナーもあって、ブシャラよりお洒落なインテリアのカーテン生地があって、本当によかったんですけどね。
尾篭なお話になりますが、あそこのトイレは一回一回便座を洗うタイプで、他のデパートにはない画期的なものでしたし、又今はプランタンの地下にあるcojeanも、ここの方が、最初でしたし、殆んど同時期にできたボンマルシェ(今はなくなりましたが、以前は地下にありましたよね)のcojeanより、よかったですしね。
外壁のアールヌーボーの絵やあの入り口のガラスの屋根とかがそのまま生かされて復興なんですね。
さすがパリっていう感じですね。
角野さんの記事にワクワクさせていただいています。
Commented by keikosuminoleb at 2016-05-01 12:20
> kanafrさん

よくご利用されていたのですね、さすがパリジェンヌ・・・
私は今になって後悔しています、どうしてもっと頻繁に出入りしなかったんだろう、と。
当時から天邪鬼で、高級そうなものに拒絶反応を示す若輩者でした・・・

リニューアルを手がけるのがSANAAでよかった!
再オープン、楽しみです!!

by keikosuminoleb | 2016-04-26 00:21 | パリ 街と人 | Comments(4)

パリ在住26年ライター&コーディネーター角野恵子目線のパリ情報です。Keiko SUMINO-LEBLANC, journaliste japonaise, FOOD et Life Style.


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