ラ・メゾン・デュ・サケ La Maison du Saké by ユーリン・リー & フランス人に日本酒を伝えるには?
2016年 04月 14日
ラ・メゾン・デュ・ショコラではなく、
ラ・メゾン・デュ・サケ!
パリのど真ん中に誕生した、
日本酒のためのマルチ空間。
なんと500平米を超える、大スペースです!
その使い勝手は・・・
1 サケテーク:100種類を超える厳選日本酒の専門店
2 イザカヤ: 言わずもがな、日本酒と和食のレストラン。
3 サケバー: ワインバーの日本酒版。カウンターで軽く一杯
これにプラス、試飲会のためのスペースもあります。
実は、ラ・メゾン・デュ・サケには 明快なコンセプトがあり、 『毎月1県、または1地方をゲストに招き、 その土地の日本酒(と物産)を、大々的に紹介する』 というもの。
2月のオープン以来、すでに佐賀県と京都の日本酒が ここからフランスへと発信されています。
そして、今月のゲストは、四国! 私も4月11日の試飲会に参加させてもらい せっかくなので店内をぐるりと見学・・・
以下、 どうぞご一緒に!
ガラス張りのドアを開けると、すぐにカウンター。 ここがサケバーコーナーです。 カウンターにいるのが、オーナー&コンセプターの ユーリン・リーさん。 フランス人で最初の、酒サムライの一人。 酒サムライ、とは、日本全国の若手蔵元が集まり、 日本酒に貢献する人物に贈呈している称号、のようです。
詳しくは→酒サムライ公式HP
(ワインやシャンパンの “シュヴァリエ” のようなものだと 私は理解しています)
ワイングラスで飲む綺麗な日本酒。
1杯3ユーロ〜。
「この日本酒、買って帰りたいな」と思ったら、 すぐ後ろのサケテークで購入できる!
サケテークで扱う日本酒の種類は 100以上! 奥へ進むと・・・
ざっと70席はある、広々ダイニング! イザカヤ!! ユーリンさんが大好きな、カウンターもあります。しかも、長さ10メートルという、巨大カウンター。
イザカヤではワイングラスではなく おちょこですね。 箸の斜め置きがおしゃれ。
さらに奥には、畳の間。 ここは20席分。
サケテークを真剣に調査している白髪の老紳士は
ワイン評論家のミッシェル・ドヴァーズさん。こんな方です→ソシエテ・ボンヌのブログ
「光が好きでしょう?」
と、店に入るやいなやユーリンさんに一言。
それくらい、店内は自然光がたっぷり!
そして店内を奥へと進むと「紺と光のコントラストがいいね」。
派手な仕掛けではなく、光と色でもって
ドラマティックなムードを表現した内装。
ドヴァーズさんも感心の、
パリにはちょっとない演出です。
さて、冒頭の四国のお酒の試飲の話に。
ワインの生き字引=ドヴァーズさんと一緒に
試飲をさせてもらって痛感したのは、
「フランス人に日本酒を説明するときは
ワインと同じ方法を取り入れると伝わりやすいのでは」
ということ。
ワインはまず、テロワール。
日本酒を紹介するときも、
その土地の写真をたくさん見せてあげるといいと思いました。
こういう風景の中で、こういう人たちが生活し、
こんな食べ物を食べているんだ、こんな文化があるんだ、
というところを、丁寧に見せてあげることがまず、必要だと。
いうまでもなく、地図は必須です。
その土地のイメージがつかめて初めて、
「そうなんだ」と入って行ける。
ラ・メゾン・デュ・サケのユーリン・リーさんは
さすがにこの部分、よくご承知で
試飲会のテーブルには
素敵な写真満載のパンフレットが
用意されていました。
これら、パンフレットの素晴らしい写真を、会場の一番目につく場所に是非!
壁面のプロジェクター映像がよく目立つように、
テーブルの位置をそちらに持って行くと良かったのかな?
そして、フランスワインは
ボルドーなりブルゴーニュなり、
テロワールごとに特徴が異なりますが、
日本酒は土地・地面の個性というよりも、
各蔵元の目指すもの、技、そして水が
特徴を作るのだということも、わかってもらわねばなりません・・・
いちいち面倒ですが、ここも丁寧にやって行かねば・・・
「四国の日本酒の特徴は何?」
「他の土地の日本酒と比べて、どういう違いがあるの?」
「じゃあ、日本酒にテロワールは存在しないの?」
などなど、ドヴァーズさんからは
本当に、ワイン的な質問ばかりされたのです。
つまり、フランス人は
ワインの頭で日本酒を理解しようとする、のかもしれない。
それならこちらも、それ用に準備した方が
通じやすいというものですよね。
(コミュニケーションがスムーズだと、お互いとても気持ち良いです)
この日お会いした愛媛、香川、徳島の蔵元の皆さんは、
四国の日本酒の特徴について
的確に説明してくださいました。
「瀬戸内海の海の幸は
ヒラメやタイなど淡白な白身のお魚が多いので、
日本酒はそれを補う旨味・甘味の強いお酒が多い」
ご説明、ありがとうございました!
この日試飲した四国3県瀬戸内海の日本酒、
各蔵元の特徴はそれぞれに
どれもとても美味しかったです。
追って銘柄を追記します。
*以下、追記です!
5つの蔵元が、それぞれ3種類の日本酒を紹介!!
− 山丹正宗
− 山丹正宗大吟醸
− しずく媛
*愛媛県観光物産協会公式オンラインショップを
楽天市場ショッピングサイトに発見!
もう一度是非飲みたい『しずく媛』、蔵元の定価1,566円で購入できます→山丹正宗 しずく媛
愛媛県初の酒米しずく媛で作った日本酒、角がなく、慈悲深いまでにまろやかで
海外に暮らす日本人には、もう癒しの旨味・・・にしては、ずいぶん手頃なお値段ですね・・・
− 阿波太閤
− 己道
− 瓢太閤(ひさごたいこう) 純米大吟醸
− 國重 純米吟醸
− 國重 吟醸
− 國重 特別純米
− 川鶴 袋しぼり中垂れ純米原酒
− かわつる さぬきよいまい
− 川鶴 讃州おいでまい
− 水と米
− 鳴門鯛 大吟醸
− 吟醸しぼりたて生原酒
かく蔵のHPから、オンラインショップで注文ができるところもあります。
是非チェックを。
近いうちに、ラ・メゾン・デュ・サケ、また行きますよ!!
ちゃんと着席して、1人の客として味わいたいです!!
11, rue Tiquetonne
75002 Paris
tel; 09 67 61 97 03
営業時間:サケテーク 11時〜(日曜は18時〜)
イザカヤ 19時〜
定休日:なし
ラ・メゾン・デュ・サケの
ディナーの様子 → こちら! アップしました!!!
ラ・メゾン・デュ・サケは
新しく生まれ変わったレ・アル こちら! からも徒歩圏内!!
この1〜2区エリア、変わりますよー!
【追記】
パリの日本酒事情、実際のところ
本当に盛り上がっているのか?!
ユーリンさんインタビューを交えて書きました⇨こちら!
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角野恵子、こんな仕事をしています。→こちら
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by keikosuminoleb
| 2016-04-14 05:57
| パリで日本酒
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