keiko's paris journal <パリ通信 - KLS> keikoparis.exblog.jp

パリ在住19年ライター&コーディネーター角野恵子目線のパリ情報です。Keiko SUMINO-LEBLANC, journaliste japonaise, FOOD et Life Style.


by KSL
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Chasseà Courre (シャス・ア・クール)、

または

Vénerie(ヴェヌリ)と呼ばれる狩猟を、

生まれて初めて見せてもらいました。




見た、と言っても、そのスタートに立ち会ったのみで、

一部始終を目撃したわけではありません。

が、かなり、ドラマティックなシーン!

同時に、いろいろ考えることにもなった

体験でした。



*以下の動画は、こちらをクリック→ instagram Keiko Sumino Leblanc

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シャス・ア・クールは、最も古い狩猟のスタイルで

同時に、最もノーブルな狩猟と言われているのだそう。




なぜノーブルかというと、銃を使わないから。





伝統の装束に身を包んだ騎馬の人々が、

何十匹という犬を引き連れ、森に入ります。


犬たちは、自らの嗅覚と野生的直感だけで獲物を見つけ、

走りに走って追い詰めて行く。

追い詰められた動物が力尽きた時、狩猟が完結する。


人間の役割は、犬たちに的確な指示を与えること、

そして、

力尽きた動物に、最後の一撃を加えること。






騎馬の人々の装束をよく見ると

腰に矢をつけた人がいて、

この矢で、一思いに心臓を突く、・・・。







・・・なんだか・・・

動物の立場になりたくないですね。







しかし、このスポーツ(?)に情熱を燃やしている

当人たちの話を聞くと、

これが単なる残酷な遊びには思えなくなります。




なんでも、動物を射止めること以上に、

犬や馬の感覚を共有し、自然を肌で感じられることが

素晴らしい、と。




しかも、国家の定めたルールにのっとって

一年の決められた期間だけ森に入り(9月から3月まで)、

狩猟が可能な動物の種類と数も

忠実に守るのだとか。




「何かに隠れて動物を銃で撃ち殺すなんて

私には考えられない。

(残酷、卑怯・・・というニュアンスあり)


お腹に子供のいる鹿だっているのに」



と、話していました。




また、



「狙った獲物だけを捉えるシャス・ア・クールには

生か、死か、どちらかしかない」


とも。




銃で撃つハンティングは、正確に撃ち殺せなかった場合、

動物たちは傷つき苦しみながら

2日も3日も森を走り回るそうで・・・








この日、私たちを案内してくれたファミリーは、

猟犬をなんと160匹も所有していると!!


猟犬たちの横腹にはそろいのイニシャルが印してあり、

これはハサミ(バリカンだと思います)を使い

手入れをしているのだとか。

焼印ではありません。

このイニシャルのために

2週間に1度のメンテナンスが必要だそうです。




また、猟犬たちは、牡鹿、イノシシなど、

決められた動物だけを追うように訓練されているそう。

さもないと、何十匹という猟犬が森をかけているうちに

まとまりがなくなってしまいます。




そして当然ながら、一年のうちのシーズン外も

この160匹は生きていて、

いい状態でスタンバイしている必要があるわけです。

そのために、もちろんですが、

犬の世話を専門とするプロのグループが、

代々通年で雇われているとのこと。

私から見ると、どれも同じ顔の犬たちを、

彼らは1匹1匹、名前で呼んでいましたよ!!




犬種は、ポワトヴァンというフランスの猟犬。

* ポワトヴァン

他にも幾つか、

シャス・ア・クールに適した犬種があるようです。







それにしても、

これだけの代償(手間とお金)を払ってでも

シャス・ア・クールをやる。




加えるなら、

伝統の装束はかっこいいですが

防寒には優れておらず、また暑いときでも同じ衣装なので

実用的ではありません。

が、伝統のスタイルを守る。






こうなるともう、私になどにはくちばしを挟む余地もありません。

恐れ入りました・・・! 




かくしてこの2016220日(土)、

彼らは

勇ましいファンファーレとともに森へと向かったのでした。

*上の動画をご覧ください!

この日の猟犬の数は約60匹!







このファンファーレも

シャス・ア・クールに欠かせない伝統の儀式。



最初にグループのチーフが

この日仕留めるべき獲物を宣言し(若い牡鹿!)、

続いて騎馬の人と犬の調教人が

トロンプ・ド・シャスという 

狩猟用ホルンで音楽を合奏。

トロンプ・ド・シャス




この演奏の間、調教人は犬たちに向かって

「後ろで待機!」と繰り返していましたが、

犬たちはもう、気持ちが盛り上がって

たまらない様子。


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首からたすき掛けにしている
細いものが、狩猟用ホルン。




以上、長々と書きましたが、

本当にまあ、

フランスには深い伝統文化があったものです。




そして、こういった伝統に

膨大な情熱とお金注ぎ込む層が

実在するのですね。





ちなみに、このシャス・ア・クール、

1995年以降ドイツとベルギーで、

2005年以降イギリスで、

禁止されています。(wikiによると)








「金持ちが、こんな残酷な遊びをして」



と、私には言えません。

私は肉を食べませんが、

革靴も履くし、革のバッグも使います。

革は、動物由来のものです。




それに



「日本だって、イルカを追い込んで棒で殴り殺す漁を

やっているでしょう?」



という意見もすぐに、思い浮かぶので。



同時に、

近年、私の地元山梨県で話題に上る

野生の鹿による自然への害のことも思い出します。

鹿を保護した結果、増えすぎている、と。





いろんな要因が絡み合い・・・

シャス・ア・クールだけを責める気にはなれません。



が、追い込まれた挙句、

最後に水に飛び込んだ立派な雄鹿の写真など見ると

(大抵、水の中がラストシーンになるそう)

「ああーーーー・・・」 emoticon-0101-sadsmile.gif と思ってしまいますよ・・・









そんな写真を見ていたら(小屋のあちこちに飾ってありました)

「そういえば、ルーブル美術館などで

この場面を描いた油絵を見たことがあるな」

と。

あと、映画『美女と野獣』でも、シャス・ア・クールは

主要なテーマの一つ。

黄金の鹿を狙っていましたね。







というわけで、いろいろ考えるきっかけとなった

シャス・ア・クール。


シャトーホテル 

『シャトー・ド・クールバン』の計らいで

体験させていただきました。

シャトー・ド・クールバン& SPA NUXE



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シャンパーニュを南下し

ブルゴーニュに入る、その入り口にある

小さな石造りの村、クールバン。



森と湿地帯に恵まれた、

代々狩猟の盛んな地域なのだそうです。

ディジョンからだと、北へ約90㎞(車で約1時間半)。




日本からのゲストには、ちょっと不便ですが、

チャーミングなフランスの田舎に佇む

こじんまりとしたシャトーは、

フランス人にはもちろん、

ベルギー人やドイツ人からも人気なのだそう。

NYからわざわざ、狩猟目的でやってくる常連もいるとか。






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私はここの猫と犬が好きでした。



猫の名前はなんと、マドモワゼル・寿司!

暖炉の前のソファーに座り

マドモワゼル・寿司の背中をなでれば

「ここは我が家emoticon-0152-heart.gif」の気分。



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次回、『シャトー・ド・クールバン』の

木下隆志シェフと

長谷川佐恵シェフパティシエールのこと、

&

日本酒『獺祭』とのコラボイベントのことを書きます。

→ 書きました!! こちら!!



HP → シャトー・ド・クールバン& SPA NUXE

FB → chateau de Courban & Spa Nuxe


7, Rue du Lavoir
21520 Courban
France
te. +33 3 80 93 78 69



*シャトー・ド・クールバン、お部屋の様子は→ こちら!です。





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【お知らせ】
以下、すみのけいこの共著も合わせて
ご覧いただけますと幸いです。













by keikosuminoleb | 2016-02-22 01:02 | フランスの田舎 / 南仏 | Comments(2)