パリ、一人旅のこころえ

パリ、一人旅のこころえ_a0231632_01491335.jpg


「女性の一人旅のおすすめに、

パリが上がらないのはなぜですか?」


「一人でパリを旅したいのですが、

女性一人でも安心でしょうか?」





そんな声を耳にしました。

私が初めてパリ一人旅をしたのは

20年以上も前のことですが(1993年)

当時も不安だったことはよく覚えています。




加えて最近は、テロのことも

かなり心配の種になっている様子。

テロ後のパリの、日常レベルの治安については

以前、こちらこちらに書きました。




思うのですが、
パリは美術館巡りや、ショップ巡り、
レストランやカフェ、マルシェ、などなど
いろいろな楽しみがあることに加え、
メトロがわかりやすく(一律料金なのも楽)
通りには名前が付いていて、
ようは
都市そのものがわかりやすく整然とつくられています。
(放射状の道の作りは方向を失いやすいですけど)

女性の一人旅には向いている、と。


逆に、ビーチリゾートなどに一人で行くほうが
気合いが必要かもしれません。

考えてみれば、
都市には一人で歩く人が、
女性でも男性でも、多いですよね。




それから、パリジャン、パリジェンヌが
親切か、
英語がしゃべれるか、
なども、よく話題にのぼります。
私が一人旅をした時(1993年)は、
「みんな、付かず離れずの絶妙な間隔で親切」で、
「英語も私よりはずっとできる」
と感じました。
今では、若い子たちは
英語で話したがるくらいです。


ついでに思い出すと、
バリ島では、
お土産売りやマッサージのおばさんに
しつこく付きまとわれて、心底うんざりしました。
パリでは、そんな思いはしないで済みます。

ヴェニスでは、お店のぼったくり度が凄まじく、
これも嫌でしたが(旅の思い出が台無しになりますよね)
パリでは、カフェでもお土産やさんでも
ちゃんと値段が書いてあるので、
そんな心配もありません。


やっぱり、パリは
一人旅をする女性にとって、
ハードルの高くない都市だと思います。

お店に入ったら「ボンジュール!」と元気に挨拶して、
ぜひ、心に残るパリ滞在をしてください!





(*それでもやっぱり一人旅は心配、という方、
よろしければ こちら! お読みくださいませ)





以下、

自由旅行で、パリを楽しむ際のアドバイスを。

女性の一人旅前提でいきましょう!




① 航空券と宿、どう予約する?

② ホテル選びの注意点は?

③ 安心して泊まれるエリアは?

④ 空港からホテルの移動、どうする?

⑤ メトロやバスは危険じゃない?

⑥  スリの見分け方や、ナンパの対処法は?

⑦ 一人のご飯、大丈夫?






① 航空券と宿、どう予約する?


旅行に行く決意をしたら、

まずは飛行機、そしてホテルの手配です。

航空券とホテルがセットになった「フリープラン」のパックツアーが

HISなどの旅行代理店や、

格安旅行サイトなどで見つかります。


例えば、

ANAの旅行サイト【ANA SKY WEB TOUR】→ フランスへの旅

羽田発パリ5日間、15万円以下からありますね。


フリープランのパックツアーは、

航空券とホテルを別々に手配するより

お安いことが多いです。 が、

一人旅の場合、

シングルアップ料金を払うので、あまり心踊りません。



航空券と、ホテルを

別々に予約する場合は、手間が2倍になってしまいますが、

自分のためです。

せっせと比較検討するしかありません。

幸い、比較検討はネットでできます。


ご参考までに:

イーナ→ 海外発航空券をオンラインでらくらく予約

ホテルズドットコム→ お得なホテル特集

エクスペディア→ 海外ホテル予約トップページ





② ホテル選びの注意点は?


自分の行きたい場所が集まったエリアや、

興味のあるエリアにホテルを取ると、

滞在が充実すると思います。


「ホテルを出れば、目の前に憧れのパンやさんがある」とか、

「歩いて美術館に行ける」

「一度でいいからサンジェルマンの住人になってみたい」

など。




最近は、感じのいいゲストハウスが

たくさん誕生しているので、

相部屋に抵抗がない人は

1泊30ユーロ程度でパリに宿泊できます。

例えば、→ Les Piaules




ただ、ここで気になるのが、

ホテル周辺エリアの治安です。



近年、パリは

10区、18区、19区が元気で、

歩けば必ず新しいもの、面白いものに遭遇し、

人情みもある

楽しいエリアなのです・・・ 

が、

移民が多く、雑然としてもいます。

この雑然としているところが

「文化の交差点・パリ」の魅力の一つとはいっても

到着するや否や

ビビってしまうような場所に

わざわざ宿を取ることもないでしょう。

(私としては、こうお伝えするのが心底辛いほど、

これらのエリアが好きなのですが! でも!!)




ちなみに、

以前読んだ統計によると

スリやひったくり(を含む軽犯罪)の被害が一番多いのは

1(ルーブル美術館がある)、8区(シャンゼリゼがある)などの

観光地でした。

ですので、101819区を歩くことを

ことさらに敬遠する必要はないと思います。





③ じゃあ、安心して泊まれるエリアは?


ルーブル美術館や、パレロワイヤル、

人気のアスティエドヴィラットのショップなどがある1区

*レアル周辺は、場所によっては汚いです。



オペラ座や、昔ながらの商店街(モントルグイユ通り、

モンマルトル通り)がある2



北マレと呼ばれるようになった3

クリエーターの小さなブティックが多い。



「パリで最も古いエリア」として有名なマレ地区の、4

ヴォージュ広場、ポンピドーセンター、

ノートルダム寺院など。



学生の街、カルチエラタンの5

パンテオンと、パリ植物園!

(*パリ植物園の様子は→こちら!



サンジェルマンデプレの6

リュクサンブール公園、ラスパイユ通りのビオマルシェ・・・



百貨店ボンマルシェと、官庁街の7

アンヴァリッド、シャンドマルス公園+エッフェル塔、

ケブランリー美術館。



シャンゼリゼと、モードのメゾンが並ぶモンテーニュ通り、

フォーブールサントノレ通りの8



オスマン建築のアパルトマンが連なる9

庶民的活気がほんのり残る、住宅街でもあります。




以上、

1〜9区は、いずれもパリの中心部なので

どこへ行くにも便利、かつ、

特に危なげ(雑多)な気配のないエリアです。

歩くことが好きな人なら、

メトロやバスに乗らず、徒歩で観光ができるかもしれません。



中国人街のある13区と、

品のいい住宅街の141516区、

17区の凱旋門寄りも、

安全で平和なムードです。

でも、ちょっと真ん中から離れますね。

逆に、パリに暮らす人々の生活の中に

溶け込む感じを味わえるかもしれません。


もし、これらの区に

気になるショップやカフェ、美術館、マルシェ

などが集中している場合は、

迷わずそこに宿をとってください。

徒歩で好きなところへ行けるのは

いいものですよね。





④ 空港からホテルの移動、どうする?



2018年2月8日追記:

現在、空港⇄パリ市内のタクシー料金は

一律、定額です!

シャルルドゴール空港からパリ右岸(オペラ座など)は50ユーロ、

シャルルドゴール空港からパリ左岸(サンジェルマンデプレなど)は55ユーロ。

空港でタクシーに乗ったら、

「50ユーロですね?」と、こちらから確認してもいいと思いますヨ。





「それでもタクシーは苦手。

極力公共の交通手段を使いた」

という方。


もし、大きなスーツケースがある場合は、

空港からパリ市内(オペラ座、凱旋門、アンヴァリッドなど)までは

バスを利用し、

バス停からホテルまではタクシー、が安心です。



なぜかというと、

バス停もタクシー乗り場も地上にあるので、

大きな荷物を持って、地下と地上を上り下り・・・

なんて必要がないから。

また、タクシーに乗るのには

道端でお財布を出す必要がないことも

大きいです。

空港から市内へのバスに関する情報は

フランス観光開発機構のHPを → フランス観光開発機構 空港から市内へ



私の知り合いの例ですが、

空港から電車RER B線を利用して市内に入り

北駅で下車、

ホテル最寄り駅へと移動するために

メトロのチケットを購入・・・ どうもその時に

スリにあったと話していました。

日本人女性、一人でした。



大きなスーツケースを引きずっている時は

動きが不自由ですし、

それに加えて

肩からも大きな荷物を下げているので、

お財布を出したり、券売機を操作したり・・・

とやっていると、

どこか、無防備なところが出てしまうのだと思います。



その点、

バス停とタクシー乗り場はだいたい近いですし、

タクシーは乗るときではなく、降りるときに車の中で

お財布を出せばいいわけですから、

スリにあう心配がありません。



「タクシーに乗るのも心配!」という方もいるかと思いますが、

パリのタクシードライバーはプロなので、

住所を見せれば必ず目的地まで連れて行ってくれます。

ご安心ください。





ちなみに、私が初めてパリを一人旅した時は、

キャスターのない小型スーツケースと

スポーツバッグのみ、という軽装。

オルリー空港に到着し(CDGではなく!)

空港からバスでダンフェールロシュローまで移動、

そこからはRERでリュクサンブールへ。

地上に出てすぐ、目に付いたホテルに入り

最初の一晩目を過ごしました。

あえてホテルを予約しないことで、

「ホテルにたどり着かねば!」というハードルを

取り払ったわけです。

でも、20年前と今では事情が違います。

ホテルは、前もって予約をおすすめします。





*2019年4月追記:

最近はUbarを利用する日本のお客様も増えました。

事前に料金がわかって、カードで明瞭会計のUbarは

とても便利です。

が、空港⇄パリ市内までの料金に関しては

タクシーよりも料金が高いことが多いです。






⑤ メトロやバスは危険じゃない?


メトロに、スリはいます。

特に、ヨーロッパに国境がなくなってからは

東欧からジプシーが流れ込み・・・

・・・スリや詐欺(エクスキューズミー、これに署名をお願いします云々)が

多くなった印象です。

ちなみに、

最もスリが多いメトロの路線は、

凱旋門からシャンゼリゼ、ルーブル美術館をつなぐ

1号線だと聞きました。



メトロに乗車して、座席に座らず、

ドアの前の棒につかまっている時、

目は、ドア上の路線図を見ていますよね。

ハンドバッグがお留守になっていませんか?

スリに合ったら最悪です、

「私は用心していますよ」

という様子を、はっきり見せてください。



立って、棒につかまっていても、

もう片方の手は必ず、バッグのファスナーの上

もし座っているなら、

膝の上に置いたバッグの持ち手に

腕を通しておきましょう。

「用心していいますよ」

「ぼーっとしていませんよ」

という様子が伝われば、

向こうもそそられないはずです。


私の知り合いの若者が、日本からパリに来た時は、

たすき掛けの短いミニスポーツバッグ? のようなカバンで

登場し(胸の前に袋がある感じ)、

これだけ用心していれば大丈夫だ、と思ったものでした。

 * ↓ こんな感じの、もう一回り小型のバッグ


 ↑ amazonリンクです




メトロの車内では、

開閉する扉付近の席よりも

そうでない場所に座ったり

立ったりしたほうが安心です。

メトロを降りる瞬間にスル、というテクニックの被害にあった人を

目の前で見たことがあります!!!

フランス人のパパ、気の毒でした・・・



ところで・・・

バスの中では、スリグループを見たことがありません。

メトロと違って、

乗ったり降りたりを繰り返しながら、スリ続ける、

ということが、できにくいからかも知れません。

そう考えると、バスは積極的に利用すべきかも。

バスの路線図は、

パリで「うちごはん」そして、おいしいおみやげ―暮らすように過ごす旅レシピ

の中でもご紹介した地図が

懇切丁寧で便利です。




メトロでもバスでも、スリの他に、

暴力などの危険にさらされることは

まずないと思います。

私は20年近くこちらに住み、

1度もそのような目に合っていません。



逆に、東京には痴漢が大勢いますから、

痴漢のいないパリの方が

気が楽なくらいです。

東京の痴漢は最低ですよね。人間失格。





⑥  スリの見分け方や、ナンパの対処法は?


メトロ1号線でよく見るのは、

1015歳くらいの

女の子のスリグループ。

本当にちょくちょく見ます。

服装は、アメリカン、というか、

パリには珍しい明るい色のトレーナー上下などを着ています。。


ジプシーと呼ばれる面々です。


他にもいろいろなグループがあると思いますが、

「あれー? 子供ばかりで、なんでだろう?」

と感じたら、もう一度バッグの確認を。

フランスの子供は、滅多に

子供だけでメトロに乗りませんから

その一団は怪しいです。



ジプシーといえば、

シャンゼリゼには、カラフルな長〜いスカート姿の

ジプシーグループが歩いていますよね。

署名をねだりにやってきます。

近づいてきても、相手にしないことです。




思い出すのは・・・20年以上前、

フィレンツェを一人旅した時のこと。

ジプシーに絡まれ、それがまたしつこくて、

ほとんど反射的に

「やめろー!」

と、日本語で叫んでいました。

ドゥオーモにこだまする、私の叫び・・・

通りを歩いていた人々がみんな振り返り、

ジプシーたちは

私から離れて行ったのでした。




シャンゼリゼにも、メトロの中にも、他の場所にも、

パリにはたくさん人がいます。

いざとなったら「やめろー!」と

日本語で叫びましょう。



ナンパに関しても、同じです。

公園で一人ベンチに座っている時など、

話しかけてくる人があるかもしれません。

つい親切心から返事をしてしまい、

しつこいなーと感じ始めたら

はっきりと、強い口調で

「エクスキューズミー!」とかいうといいと思います。

フランス人はあまり深追いしません。





⑦ 一人のご飯、大丈夫?


カフェやビストロ、レストランで見かける、

一人ゆったりと食事をする老人。

彼らの仲間になった気分で

堂々と、一人ご飯を楽しんでください。

もし、予約をする店なら、

一人のお客さんにふさわしいテーブルを

用意してくれるはずですし、

予約なしで入る店なら

その場で、良さげなテーブルをいくつか

見繕ってくれます。



「でも、一人で食事するのは

寂しい気がする」・・・という方。


私は、旅先での一人ご飯のときに

よく、友達に当てた絵はがきを書きます。

または、テーブルの上にあるものをスケッチしたり。

一人では間が持たないかも、とご心配の方は、

絵はがき、旅日記など用意しておくといいですよね。


ガイドブックを開いて

明日の予定をもう一度確認したり、

お土産リストをチェックしなおしたり、

一人でもすることはたくさんあります。



あ!

考えてみれば、

レストランやカフェにはWi-Fiがあるので

インスタグラムやツイッターができますね。



一人でも入りやすい店リストは、こちら です。






以上、「パリ、一人旅のこころえ」でした!






ご参考までに

よろしければこちら ↓ 旬のパリ情報、毎日アップしてます。














追記:
パリのスーパー「モノプリ」で買える
オススメのお土産、食べ物編です→こちら!







*プライベートガイド、日本語通訳etc
パリとフランス旅行に関する相談は
『パリ・エキスパート』へ!




*****

以下、旅の準備・料金の比較検討にご利用ください:

羽田から行く海外ツアー ←私はいつも羽田・ANAです!
パリの旅行ガイド(エクスペディア)




* 旅行中のwifi、調べました。
頻繁に海外旅行をする友人やライターの皆さんが
よく利用しているのはこちら ↓




イモトのwifi たった18秒でお見積も! リンクは⇨ こちら!
イモトのwifi 簡単申し込みは⇨ こちら!!
レンタル申し込みまだ間にあう? 申し込みチェッカーは⇨ こちら!!!
速度制限の不安なし! LTEギガMAXキャンペーンは⇨ こちら!!!!





他にも、
フランス1日970円 
サイトから簡単に見積もりができます→ 海外旅行レンタルwifi 楽天トラベルグローバルwifi
イモトのwifiより10円お得。



* 旅グッズを見ていたら
ロフトのサイトで、ハンディタイプのはかりを発見! → 荷物用はかり ラゲッジスケール
これ、大量に買い物をする我が子らに、ぜひとも必要。
いいものがありますねー。






【お知らせ】
「一週間だけパリジェンヌ♪」のためのガイドブック
『パリでうちごはん そしておいしいおみやげ』

ビストロでメニューを注文するには?
マルシェでの買い物は??
暮らすように旅するアドバイスがぎっしり!
料理家・重信初江先生によるパリ旅レシピと、
オススメのお土産リストも必見です!











【2017年4月10日追記】
『パリ旅行、一人でサクッと食べたい時に〜イートインできるパン屋さん』情報も、
役に立つと思います!⇨ こちら!





Commented by Marie at 2016-03-20 02:31 x
おお!まさに、かゆいところに手が届く!
そんな「いまのParis」情報を、とても判りやすくイメージしやすいシンプルかつあたたかい説明を。
ありがとうございます~
誰もが、憧れたり大好きだったり。そんな魅力的なParisで、これからも安心しながらステキな時間を過ごせるように。(必要な注意はどこでもありますもん、なにをどう気をつけたらよいのか?を教えてくださり感謝!)
Keikoさんご自身の、Parisへの愛が伝わってきます・・・
Commented by keikosuminoleb at 2016-03-20 16:54
> Marieさん

そんな風に言っていただけて・・・もったいないようです。
ありがとうございます!

最後に比較として登場しているバリ島とヴェニスも、
好きですし、また行きたいと思っているので
あの書き方はフェアじゃなかったかな、と反省中。


ところでついに昨日(3月19日)、去年11月13日の同時多発テロの中心人物が
逮捕されましたね。
これで安心ではなく、ますます警戒を強めて当たる所存、との政府の言葉でした。


本当に厄介な、難しい問題です・・・


by keikosuminoleb | 2016-03-19 02:49 | 旅のお役立ち情報・治安 | Comments(2)

パリ在住26年ライター&コーディネーター角野恵子目線のパリ情報です。Keiko SUMINO-LEBLANC, journaliste japonaise, FOOD et Life Style.


by KSL